ブレア・ミルズ | パフォーマンスコーディネーター

BLAIR MILLS

ブレア・ミルズ

ニックネーム Millsy
生年月日 1982/4/21
出身地 New Zealand 
星座 おうし座
血液型 O型
略歴 ワイカト大学
代表歴 -
在籍年数 1

ブレア・ミルズ物語

 現役時代はフッカーだった。ブレア・ミルズは独特の少し高い声で、「アグレッシブで負けず嫌いな選手でした」と笑う。「残念ながらスキルに関しては、限られた選手でしたが」と、もう一度笑った。
 12歳から始めたラグビー選手としてのキャリアに、24歳で終止符を打っている。自らを客観視し、冷静な判断を下した。
「ある時点でプロのラグビー選手になるとか、オールブラックスに入るのは難しいという判断をしました。それからはストレングス&コンディショニング(S&C)のプロコーチとして十分なスキルを獲得して、仕事をしていくことにフォーカスを変えていったのです」
 2002年から06年までオークランド工科大学で学びながら、インターンのような立場でチームに携わっていった。ラグビー大国のニュージーランドでは、S&Cを志す人材も多い。「仕事の数は限られているので、多くの時間を無休で費やしながらチャンスを待ちました」と話す。
 果たして、06年にオークランドラグビーユニオンのアカデミーS&Cとなると、09年から12年まではニュージーランド男子セブンズで、12年から18年まではスーパーラグビーのチーフスでS&Cを務めた。チーフスで6年を過ごすと、18年8月からオールブラックスセブンズでヘッドS&Cを任された。
 並行して15年から18年までは、ワイカト大学で再び学んだ。S&Cは理論のアップデートがスピーディだ。日々の業務でアウトプットしつつも、継続的なインプットは欠かせない。
「ニュージーランドのラグビーシーンで、トータルで15年にわたって異なるチームで仕事をすることができました。そのなかで妻と海外で経験をしてみたいと話をしていて、日本で仕事をしたことのあるニュージーランドのラグビー関係者から、日本での経験は素晴らしいものだと聞いていました。私自身も色々なチームの仕事で日本に来たことがあり、日本人のみなさんはとてもフレンドリーだと感じていました。異なる文化に触れて、まったく違う経験をしてみたかったのです」

 東芝ブレイブルーパス東京には、21年8月から加わった。パフォーマンスコーディネーターの肩書で、選手たちと向き合っている。
「日々のトレーニングでは、選手たちが監督とコーチ陣のゲームプランを遂行できる肉体を持てるように、フィードバックを与えたりトレーニングをデザインしたりしています。ジムでのプログラムも書きますし、選手たちと一緒にジムにいます。それからコーチたちには、トレーニングでどれぐらいの負荷がかかるのかといった情報を提供します。それによって、コーチ陣がトレーニングをデザインする際に、正しい判断ができるようにしています」
 ミルズィのニックネームで呼ばれる彼の判断は、日々のトレーニングに大きな影響を持っている。それはつまり、勝敗に対する責任も大きい、ということになる。
「チームが勝つためには、その時々でベストと思われる選手が、いかにフィットネスが高い状態で試合に出られるかが重要です。S&Cの仕事は、できるだけケガをさせないという部分を含めて、選手に良い状態で試合に臨んでもらうために重要な仕事だと思います」
 大きな責任を背負うからこそ、喜びも大きい。充実感を得られる瞬間を問われると、「ホントにたくさんありますよ」と笑みを浮かべた。
「まずはやはり、選手が素晴らしい活躍をしてくれることを見ることですね。チームが勝つことも大事です。試合の日はワクワクします。ハイレベルのアスリートがしっかりとパフォーマンスできる状態になっているのは、とても嬉しいことですよ」

 東芝ブレイブルーパス東京に関わって、1年半以上が経過している。チームへのロイヤリティは、確実に育まれている。
「ブレイブルーパスへの思いは、もちろんあります。会社を含めて変貌を遂げたい意思があり、成功するためのハングリー精神を持っている。それは、私がこのチームで働いている理由です。目標を実現するためには会社、チーム、個人のハードワークが必要です。そのなかで今後目ざすのは、いかに一貫性を持って相手を圧倒できるか。昨シーズンはある程度いいパフォーマンスを発揮できましたが、他のチームもしっかり取り組んでいるわけで、油断することなくハングリー精神を持ち続けていきたいですね」
 ブレイバーとの触れ合いにも積極的だ。プレシーズンマッチの有観客開催は、ミルズィにとっても待ち望んだものだった。
「新型コロナウイルスの影響でファンとの交流がなかなか難しかったなかで、プレシーズンマッチでお客さんと少しずつ交流ができたのは良かったです。リーグワンのホストゲームにもたくさんのみなさんに来ていただいて、交流やサポートを感じることができれば、僕自身のブレイブルーパスへの気持ちもより深まるでしょう」

 プライベートでは落ち着いた日々を過ごしている。妻と息子の楽しそうな姿に触れるのは、ミルズィにとって至福の時間だ。
「息子のアーサーはまだ2歳なので、彼が日本での生活をどれだけ楽しんでいるのかは分かりませんが(笑)、妻は私より日本語を覚えていて、ママ友もできているようです。日本は食べものが美味しいし、何よりも安全なのがいいですね」
 最後に、東芝ブレイブルーパス東京のスタッフとして、成し遂げたいものを語ってもらう。通訳の英語を最後まで聞き終えるまえに、ミルズィは答えた。ターゲットを明確に定めている、ということだ。
「リーグワンで優勝したい、日本代表にどんどん選手を送れるようなチームになりたい。ブレイブルーパスはもちろんですが、日本のラグビーにいい影響をもたらせるような仕事をしていきたいのです」
 そのためにも、ミルズィは日々のハードワークを欠かさない。選手のコンディションの変化に、目を光らせていくのだ。
(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

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