【物語りVol.151】土壇場の劇的トライでボーナスポイントをゲット!レギュラーシーズン1位を自力で決める

 

■モウンガ選手の鮮やかなキックを桑山聖生選手がキャッチし…

 

 

ドラマティックな展開で、レギュラーシーズン1位を決めました。

NTTジャパンラグビーリーグワン2024-25 第18節の横浜E戦が、5月10日に秩父宮ラグビー場で開催されました。前夜からの雨は午前中に降りやみ、1万290人の観衆が詰めかけました。

レギュラーシーズン1位を自力で決めるためには、3トライ差以上の勝利に付与されるボーナスポイントが必要です。東芝ブレイブルーパス東京は27分までにCTBセタ・タマニバル選手、SH杉山優平選手、PRタウファ・ラトゥ選手がトライを奪いました。SOリッチー・モウンガ選手がコンバージョンを3本決め、21対0とリードします。前半を21対14で折り返しますが、後半3分にFLシャノン・フリゼル選手、同13分にFB豊島翔平選手がトライをあげ、35対14まで点差を拡げます。

同31分に横浜Eにトライを許しますが、3分後に途中出場のSH小川高廣選手がトライラインを越えます。しかし、同36分に4度目のトライを喫します。

この時点でスコアは42対28で、勝利はほぼ手中に収めています。ただ、ボーナスポイント獲得のためには、あと1本トライが必要です。

同40分にWTB森勇登選手がトライゾーンへ飛び込みますが、TMOでノックフォワードがあったとして認められません。ここで横浜Eの選手が森選手にノーボールタックルを行ったとして、東芝ブレイブルーパス東京のラインアウトで試合が再開されます。

そして、ラインアウトの流れからモウンガ選手が右サイドへクロスフィールドキックを供給します。鮮やかな放物線の先には、WTB桑山聖生選手が走り込んでいました。相手選手に競り勝ってキャッチし、そのままグラウンディングします。後半41分の劇的なトライで、東芝ブレイブルーパス東京はボーナスポイントを含む勝点5を獲得しました。

 

 

 

■「リーグワン史上初の連覇を目ざします」


試合後にはホストゲーム最終戦セレモニーが開催されました。選手、スタッフがメインスタンド前に一列に並びます。

最初に薫田真広GMがあいさつをします。

「昨シーズンの結果がフロックと言われないように、レギュラーシーズン1位通過を目標にやってきました。みなさんの支援と、選手、スタッフの頑張りによってつかんだ1位だと思っています。リーグワンでは初めてとなる連覇を目ざします」

 

 

続いて、トッド・ブラックアダーHCが、全体の列から一歩前に出ました。

「たくさんの人たちに勝利を喜んでもらえて嬉しいです。シーズンを通して素晴らしいラグビーができましたので、プレーオフでも引き続きやっていきたい」

 

 

NO.8リーチ マイケル主将も、ONE Lupusのみなさんに感謝を伝えます。

「今シーズンの18試合、たくさんのファンが会場に来てくれました。プレーオフへ向けてリチャージをして、(準決勝が行なわれる)5月24日にこのスタジアムを真っ赤にして、連覇へ向けて頑張っていきましょう」

 

 

最後に、荒岡義和代表取締役社長がマイクを握りました。スタンドを赤く染めるONE Lupusのみなさんへ向かって、「おめでとうございます、やりました!」と告げると、スタンドから大きな拍手が沸き上がりました。

「10-11シーズン以来のレギュラーシーズン1位です。ホストゲームの平均観客数も1万人を超えました。(プレーオフ決勝が開催される)6月1日にまた、みなさんと喜びを分かち合いたいと思っています。その前にまず、24日にまたお会いしましょう!」

 

 

 

その後は、ONE Lupusのみなさんがメッセージを書き込んだ横断幕とともに、記念撮影を行いました。ホストゲーム恒例のファミリーロードはこの日も大盛況で、2週間後のプレーオフトーナメント準決勝への期待が高まりました。

 

 

 

■準決勝へ向けて牙を研ぐ

 


試合後の選手たちは、喜びと安堵に包まれていました。

モウンガ選手は「勝点5を目ざしていたので、それが達成できて良かったです。横浜Eさんはすごくいいチームなので、自分たちのいいディフェンス見せられたのは嬉しいですね」と振り返ります。

FL佐々木剛選手も、「ボーナスポイントを取ることが1位になる道だったので、しっかり取り切れたのは評価できると思います」と話します。そのうえで、「すごく勢いのあるアタックができたので、その点も良かったと思います」と総括しました。

もちろん、選手たちは試合の細部にも眼を向けます。点差が開いたところで相手にトライを許した展開について、HO原田衛選手は「自分たちが正確性を欠いてしまい、相手に付け入るスキを与えてしまっている」と指摘します。「自分たちのミスが原因なので、そこはきっちりやっていかないと」と、気持ちを引き締めます。

レギュラーシーズン1位となり、プレーオフトーナメントには24日の準決勝から出場します。LOワーナー・ディアンズ選手は、「準々決勝がないことで、コンディションを整えられます」と話します。同時に、「1位になったことは、次の試合そのものにはあまり関係ありません。自分たちのプレーで勝っていく、というのがこのチームのマインドセットなので」と、これまでどおりのスタンスを強調します。

ディアンズ選手の思いに、佐々木選手が心を重ねます。

「アタックと粘り強く守るところ、接点のところは自分たちの強みです。そこをどのチームに対しても出し切る、ということが大事かなと思います」

シーズン2度目の出場を記録した桑山聖生選手も、「自分がプレーオフの試合に出るにしても、出ないにしても、チーム全員で勝つための準備をしていくことは変わりません」と、真っ直ぐ前を見つめます。直近5試合連続で「3」を着けたラトゥ選手も、「リーグワン連覇ができたら最高で、その一員となれたら嬉しいです。そこへ向けて、努力していきます」と、自分自身と向き合います。

モウンガ選手は「昨シーズンのプレーオフで優勝したからといって、何かが有利になるわけでもないでしょう」と、力みのない表情を浮かべます。「もちろん、プレーオフで優勝した経験があるのは、昨シーズンとの違いにあげられますが」と続け、トーナメントに挑むメンタリティを明かしました。

「いいラグビーが必要かな、と。プレーオフだから競技が変わることはないので、どれだけ正確なプレーができて、負けたら終わりのプレッシャーを力に変えられるチームが勝つのかな、と思います」

リーグワン史上初の連覇へ。周囲の期待や注目をエネルギーに変えて、チームは5月24日の準決勝へ向けて牙を研ぎます。

 

(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

 

 


【連載企画】東芝ブレイブルーパス東京 「物語り」
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次戦は準決勝として、5/24(土)に秩父宮ラグビー場にて 準々決勝(静岡BR  vs  神戸S)の勝者 と対戦します。

会場を赤く染めていただき、皆さまの熱いご声援をよろしくお願いします!!

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