【物語りVol.199】悔しさをエネルギーに変えて



■「もう1回チームを勝たせるために」

7月23日、東芝ブレイブルーパス東京は定例記者会見を開きました。薫田真広代表取締役社長兼GM、ジョシュア・シムズ新HCが登壇し、新体制の狙い、新加入選手のプレースタイルなどについての説明がありました。その後、4シーズン連続でキャプテンを務めることが発表されたリーチ マイケル選手、スーパーラグビーのハリケーンズから復帰したワーナー・ディアンズ選手が、それぞれ新シーズンへの思いを語りました。

リーチ選手のキャプテン就任について、シムズ新HCは「説得は必要ありませんでした。彼とは食事をしたりカフェへ行ったりして、つねにコミュニケーションをとっています。そのなかの会話で、自然とふたりでチームをリードしていこうということになりました」と話します。リーチ選手も「日常的にコミュニケーションをとっている」と頷き、引き続きチームの先頭に立つことを決めた理由を明かします。






「昨シーズンの悔しい思いをエネルギーに変えて、チームを引っ張っていきたい。学ぶこと、反省すべきことがたくさんあったし、それを生かしてもっと強い東芝ブレイブルーパス東京を作るために頑張りたい、と思いました」

同時に、「簡単な選択ではなかった」と、率直な思いを吐露しました。「ラグビーW杯の1年前のシーズンで、自分のことに集中するのは一番楽です。けれど、もう一回チームを勝たせるためにやろうと思いました」と続けます。いつもどおりの落ち着いた雰囲気のなかに、昨シーズンまでと違う種類の闘志が織り込まれています。

新シーズンへ向けては、「東芝の原点でもあるフィジカルにもう一回フォーカスして、身体を作り上げたい。昨シーズンはそこで圧倒的な差を感じた。プライドを賭けて強いフィジカルを取り戻して、スクラム、ラインアウトなどを強化したい」

昨シーズンの反省として、「準備」をあげました。

「まずは身体を作っていかないといけないんですけど、18試合トータルとして戦えないといけない。そこをベースとしてたいし、戦いかたももう少し仕上げていきたい」

さらに、「チーム一丸のメンタリティで」の必要性も訴えました。

「マイチームっていう感じを、ちょっと失ったんじゃないかなと思って。選手、スタッフ、コーチが、もっと一丸となってやっていきたい」





■「自分のパフォーマンスでチームを引っ張っていきたい」

会見2日後の7月25日から、日本代表は合宿を行なっています。そのまま8月にオーストラリア代表と2試合、9月にアメリカ代表とのパシフィックネーションズカップ2026に臨み、10月、11月もテストマッチが組まれています。

そうしたスケジュールの合間を縫って、東芝ブレイブルーパス東京に合流していくことになります。リーチ選手は「それはもう、何年もやってきたことなので」と話し、日本代表として過ごす時間もチームに還元していきます。

「東芝から5人(リーチ選手、ワーナー選手、原田衛選手、マイケル・ストーバーグ選手、松永拓朗選手)が日本代表に参加していて、世界のトップの国と試合をしています。練習のスタンダード、フィジカルのスタンダード、勝つための準備といったところを、チームにもたらしていきたい」

新たなチーム体制とチーム編成については、「新しい東芝ブレイブルーパス東京になる。楽しみ」と声を弾ませます。

「東芝に来れば日本代表になれる、そういうチームにしていきたい。練習環境もそうだし、新しいクラブハウスもできるので、東芝の試合を観て東芝へ行きたい、練習に参加したらいいなと思ってもらえるチーム作りをしていきたい。目標はもちろん優勝です。リーグワンのレベルがすごく上がっている。そのなかで1位になれるように頑張っていきます」


シムズHCについても語りました。

「コミュニケーション能力が高い。どんな選手、どんなスタッフとも、1日1回は必ず話している。新しい東芝ブレイブルーパス東京の新しい風になって、チームを良くしていってくれるのでは」





ワーナー選手は、FWコーチ当時のエピソードを紹介しました。

「コーチとしてはすごいディテールにこだわる人です。2年前のシーズンにラインアウトとかスクラムを一緒にやって、他のコーチなら見ないような小さなところにもこだわっていました。選手とのコミュニケーションに積極的なので、すごく話しやすいですね」

日本代表では昨夏からキャプテンを任されています。そのリーダーシップは、シムズHCもリーチ選手も認めるところです。

ワーナー選手自身は、「キャプテンでも、キャプテンじゃなくても、自分のパフォーマンスでチームを引っ張っていきたい」と話します。「リーチさんはたくさんの経験があるので、サポートはいらないと思います」と笑みを浮かべ、「自分のラグビーをやるだけです」とまとめました。

11月までは日本代表の活動が続いていきますが、「その合間にちょこちょこ来て、ミーティングに参加したり、練習したりすると思います」と、目を輝かせました。

新しい体制のもとで、新たなスタッフと選手を迎えて、東芝ブレイブルーパス東京は動き出します。その中心に、リーチ選手とワーナー選手がいます。


(文中敬称略)
(ライター・戸塚啓)


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