【物語りVol.207】2026-27プレシーズンレポート(第2回)

頼もしい一歩が、記されました──。
12月12日開幕のジャパンラグビーリーグワン2026-27へ向けて、東芝ブレイブルーパス武蔵は厳しいトレーニングに励んでいます。プレシーズンのチームの動向を、定期的にお伝えしています。
10月17日には、今シーズン初めてのプレシーズンマッチが行なわれました。東芝府中グラウンドでのホストゲームで、試合前からONE Lupusのみなさんの熱気がグラウンドを包みます。お馴染みのファンクラブ受付ブースや公式グッズ販売ブース、キッチンカーなどがズラリと並び、デジタルトレカ限定コンテンツも好評でした。
試合は40分×3本で行なわれ、55対40で東芝ブレイブルーパス武蔵が勝利しました。これまでチームの中心としてプレーしてきた選手、今シーズンの飛躍が期待される選手、新たに東芝ブレイブルーパス武蔵の一員となった選手が、グラウンド上で好パフォーマンスを披露。昨シーズンのリーグワンで連敗を喫した相手を下し、プレシーズンマッチ白星スタートなりました。

試合後にはFLジャック・デンプシー選手、FBアフェレレ・ファッシ選手、SH高橋佑太朗選手、SO/FB伊藤和樹選手が取材に応じました。4選手は東芝ブレイブルーパス武蔵でのデビューを飾りました。
デンプシー選手は「デビューできて本当に光栄です」と切り出します。
「パナソニックさんはリーグワンの強豪と聞いていますし、ものすごく質の高いチームに対して、自分たちのやってきたことをこのような形で出すことができた。それは非常に嬉しいことです。自分は8月に合流しましたが、その前の段階から若手選手が始動していて、今日まで全員がものすごく頑張って汗を流してきました。そのご褒美をこうして受け取ることができて、すごく良かったと思います」
7月のスコットランド対南アフリカ戦以来の実戦でした。
「自分としては、しっかり肩を当てていくことがこの試合のターゲットでした。日本のラグビースタイルは自分にすごく合うと思っているので、さらにアジャストしていきたいですね」

ファッシ選手は12日に合流したばかりでした。
「来日のタイミングが決まった段階で、ジョシュ(ジョシュア・シムズHC)と電話で話して、17日の試合に出してほしいと伝えていました。南アフリカ代表を含めてまとまったゲームタイムを確保できていなかったので、個人のプレーと自信を取り戻すきっかけにしたかったのです」
チームには素早くフィットしている印象です。日本人選手の名前を呼んで、指示を送るシーンもありました。
「スペースへ果敢にボールを運んでいく、アタックするマインドは、今日の試合を通してすごく楽しめました。新しいチームでプレーしているわけですが、東芝はどういうラグビーをするのかがチーム全体で共有できている」
ファッシ選手が定位置とするFBでは、日本代表に選ばれている松永拓朗選手、この試合にFBで起用されたTJクラーク選手らの出場も予想されます。彼らとのポジション争いについて聞かれると、落ち着いた口調で答えます。
「競争相手である前に、チームメイトとしてお互いに助け合い、高め合っていく存在だと思います。健全な競争はチームにとってプラスで、自分が15人に、23人に、選ばれてても選ばれなくても、フルバックでもフルバックじゃなくても、最大限のチームへの貢献を心がけていきます」
デンプシー選手はこのあと、スコットランド代表に合流してネーションズチャンピオンシップに臨みます。ファッシ選手の南アフリカ代表合流については、「コーチからの連絡次第ですね」と、現時点では流動的となっています。

■リーチ選手「いい風が吹いている」
高橋佑太朗選手は昨年12月20日の大学選手権以来の実戦でした。「まずは楽しかったというのが一番ですね」と、言葉が弾みます。
リハビリや個人トレーニングは、「自分と向き合う時間になりました」と振り返ります。その時々でできることに集中しながら、実戦復帰の階段を上がっていきました。
小川高廣選手、高橋昂平選手、杉山優平選手らと、SHのポジションを争っていきます。筑波大学の先輩でもある杉山選手からは、「色々と教えてもらっています」と話します。
「ゲームメイクでは仕掛けの部分に加えて、キックを強みとしていきたいです。大学ではそこまで蹴っていなかったので、試合を通して高めていく。そのためにキックの精度を意識しています。ディフェンスは先輩方とは違う自分の強みだと思うので、そこもしっかり伸ばしてアピールをしていきたいですね」
チームにはすっかり馴染んだようです。
「チーム全員で高め合っている。全員が声を出して、ひとつのチームとなってコネクションを持ってやれている。先輩方から新人の僕にも声をかけてくれて、僕からも意見が言いやすい環境があります」

同期の伊藤和樹選手も、チームのまとまりに触れます。長期離脱からの復帰するプロセスで、周囲の支えを強く感じました。
「ケガをした状態からチームに入って、グラウンドに復帰したのが7月の半ばから終わりぐらいでした。そんななかでコーチ陣や先輩方が、嫌な顔をすることもなくイチから色々と教えてくれました。ホントに一体となったチームだと感じます」
この日はFBとSOでプレーしました。FBで出場した2本目には、インターセプトからトライをゲットしました。
「ウイングに入ることもあるのですが、どのポジションでもコミットできるように、どこで使われても活躍できるように。これから頑張っていきたいです」

この試合の1本目と2本目の間には、リーチ マイケル選手がグラウンド上に姿を見せました。コンディションの影響で日本代表の参加を見送り、この日もジャージを着ることはありませんでしたが、「リーグワンの開幕には間に合うと思います」と話すと、ONE Lupusのみなさんから大きな拍手が沸き上がりました。
「新しい選手が入って来て、ヘッドコーチが代わって、チーム名も変わって、いい風が吹いてきていると感じています。1日のスケジュール、1週間のスケジュールが変わり、クラブ内の競争が激しくなって練習の強度が上がっています。自分自身はもう一度強い身体を作ることを意識してやっています。接点、スクラム、ネバーギブアップの精神を見てほしいですね」
10月24日には、江東BSとのプレシーズンマッチ第2戦が組まれています。実戦を通して練習の成果を確認し、今後への課題を洗い出し、チームとしても個人としても練度を高めていく。プレシーズンの一日一日が、タイトル奪還へつながっていきます。
(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)





























































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