【物語りVol.142】12節の“頂上決戦”で秩父宮ラグビー場での最多観客動員を記録

■鹿児島でのホストゲームは盛況裡に終わる

 

 3月18日、東芝ブレイブルーパス東京は定例記者会見を開きました。「世界有数のユニークなラグビークラブ」を目ざして、リーグワンを戦うチームの情報はもちろん、事業会社としての取り組みも定期的かつ積極的に発信しているのです。
 最初に荒岡義和代表取締役社長が、2月、3月のホストゲームを事業面から振り返ります。
今シーズン4試合目のホストゲームとなる第8節の東京SGとの“府中ダービー”は、秩父宮ラグビー場に13339人の観衆を集めました。年末年始のホストゲーム3試合の平均9066人を、大きく上回りました。昨シーズンの同一カードと比べても、およそ200人増となっています。
 クラブは着券率に着目しています。荒岡社長が説明します。
「この試合では有料入場者数が90パーセント以上を記録し、チケットは招待を含めると13730人分を発券しました。着券率は97パーセントになります。この試合を観たい人がチケットを購入してくれて、招待を受けた人も観たいと思ってくれた結果で、これはすごいなと思います」
 3月1日の第10節は、鹿児島県・白波スタジアムでホストゲームを開催しました。東芝ブレイブルーパス東京にとって、鹿児島県では初めて、首都圏以外でも初めてとなるリーグワンのホストゲームです。当日は6056人の観衆が集まりました。
「サッカーJ3リーグの鹿児島ユナイテッドFCの観客動員に、並ぶような数字と聞きました。地元の方々には大変喜んでいただき、グッズの売上げも360万円を記録しました。東京SG戦が390万円でしたから、それに近い数字です」
 この試合には地元の方々だけでなく、日頃から東芝ブレイブルーパス東京を支援・サポートしてくださっている方々も駆けつけてくれました。クラブが把握しているだけでも、パートナー企業の関係者やファンクラブ会員の来訪が、実に800人を超えました。
「2泊や3泊の旅行を兼ねて、東京方面から訪れたという方が多かったようです。ホストゲームでお会いするファンクラブ会員の方も、たくさんいらっしゃいました。ツアーとして考えるとビジネスチャンスで、今後も鹿児島でホストゲームを開催するのであれば、新たなサービスを考える動機づけになりました」
 S東京ベイとの試合前には、『令和6年度鹿児島県中学生新人ジュニア・ラグビーフットボール大会』の3位決定戦と決勝戦が行なわれました。荒岡社長は「鹿児島でのラグビー普及やファン増加につながったのでは」と位置づけます。
 S東京ベイとの試合は、「ホーム感がすごく出ていた」と振り返ります。キャンプ地として20年以上にわたって交流してきたことで、「温かく迎えてもらい、応援してもらっている」ということを感じました。
試合も31対27と接戦を制しています。「試合内容も素晴らしかったですし、非常にいい興行になりました」と、荒岡社長は総括しました。

■札幌でのホストゲームは「8000人」を目標に

 

 3月22日の埼玉WKとのホストゲームは、会見当日(18日)時点で14000枚のチケットが発券されていました。リーグワン発足以降の秩父宮ラグビー場でのホストゲームでは、23-24シーズンの横浜E戦の13581人が最多となっています。荒岡社長は「秩父宮での最多観客動員を狙いたい」と話していましたが、その言葉どおりに16937人を集客しました。
 秩父宮ラグビー場でのホストゲームでは、東京SG戦でファンクラブ会員向けにスタジアムツアーが実施されました。一般の方は触れることのできないスタジアムの内側が、可能な範囲内で公開されました。埼玉WK戦でも同様に実施され、好評を博しました。
 また、ゲート前広場のルーパスガーデンでは、ラグビー体験コーナーが人気を集めています。埼玉WK戦では、選手考案のメニューが披露されました。このように東芝ブレイブルーパス東京のホストゲームでは、試合前から楽しめるイベントが数多く用意されています。
 3月30日のホストゲームは、大和ハウス プレミストドーム(北海道)を舞台とします。これに先立って、3月中旬から札幌駅前地下歩道にリーチ マイケル選手の巨大な宣伝ポスターが貼り出されています。映画『ゴジラ』を連想させる迫力満点! の構図です。
 特別なグッズも用意されます。札幌山の手高校出身のご当地スター、リーチ選手の凱旋記念Tシャツは、リーズナブルな価格(1000円・税込)でありながらプレミアム感が満載です。
凱旋Tシャツと応援セット(メガホン、応援シャツ)をまとめた「北海道セット」(2000円・税込)も人気を集めそうです。こちらはご購入の先着500名に、ノーサイドファミリーロードの参加券がプレゼントされます(有料のファンクラブ会員を除く)。北ゲート側コンコースのルーパスガーデンで発売されます。
荒岡社長は「観客動員8000人を目標」に設定しました。ホストエリアから離れたゲームとしては、野心的な数字と言うことができるでしょう。
「(24年4月に開催された)S東京ベイ対神戸Sの試合が6300人強でしたので、何とか8000人は入れたいと頑張っています」
 果たして、目標達成となるのか。当日が楽しみです。

 

札幌駅前地下歩道のポスター
札幌駅前地下歩道のポスター

■競争力の高いリーグワンで結果を残すために

 

 荒岡社長に続いて、トッド・ブラックアダーHCが登壇しました。
その一部は物語りVol.140に掲載されていますが、ここではリーグワンに関するふたつのテーマについて、トッドHCの考えを紹介していきます。
ひとつ目は、レギュラーシーズンの試合数が16から18へ増えたことに伴う、チームビルディングの変化についてです。
「試合数が増えているだけでなく、1試合における強度が上がっています。シーズン開幕前の時点では、レギュラーシーズンの最終節からそのまま休みなくプレーオフトーナメントへ突入する可能性も想定されました。それに対して、コーチ陣もS&Cも素晴らしい準備をしてくれています。経験を持った選手もたくさんいるので、彼らの声も聞きながら、1年間のトレーニングのプログラムをデザインしています。今シーズンはプレシーズンの段階から、いつ、誰が出るのかを調整して、シーズンの終盤にピークが来るようにデザインしました」
 ふたつ目は、リーグワンが例年になく混戦となっていることです。昨シーズンの中位から下位チームが、実力的に上位と見られるチームを苦しめる、勝利を奪う、といった試合が増えています。
「競争力が高いリーグになっている、と考えます。その理由としては、各チームのオフシーズンの補強があげられます。選手だけでなくコーチ陣にも、世界的な人材が揃うリーグになっています。毎週末の試合ではどこが勝ってもおかしくないですし、フィジカルとメンタルの両面をしっかり整えないと、いつ相手に食われてもおかしくありません」
 レギュラーシーズンは中盤から終盤へと差しかかっていきますが、東芝ブレイブルーパス東京は自分たちのラグビーを遂行することに集中して、ここから先も戦っていきます。

 

(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

【連載企画】東芝ブレイブルーパス東京 「物語り」
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次戦のホストゲームは、3/30(日)に大和ハウス プレミストドーム (北海道)にて、三重ホンダヒートと対戦します。

是非会場で皆さまの熱いご声援をよろしくお願いします!!

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