【物語りVol.143】リーグワン第13節レビュー
札幌ホストゲームで快勝!! プレーオフトーナメント進出を決める

■「伝統あるチームで50キャップを記録できて嬉しい」
札幌でのホストゲームは、多彩なトライショーとなりました。
NTTジャパンラグビーリーグワン2024-25 第13節の三重H戦が、3月30日に大和ハウス プレミストドーム(北海道札幌市)で開催されました。LO眞壁照男選手がメンバー変更で今シーズン初めて1番を、SH小川高廣選手が復帰後初めて9番を着けました。德永祥尭選手は今シーズン2度目のスタートメンバーで、7番を着けるのは初めてとなります。
東芝ブレイブルーパス東京は、試合序盤から三重Hを圧倒していきます。開始5分にトライを喫したものの、20分過ぎから3連続トライを奪います。前半を17対7で折り返しました。
後半開始早々にペナルティトライを献上して17対14とされますが、ここから6本のトライを連ね、FB松永拓朗選手がコンバージョンを確実に決め切り、59対21で勝利をつかみました。
この試合ではLOジェイコブ・ピアス選手が、通算50キャップを達成しました。27分に今シーズン初のトライを記録し、後半に入った57分にもラインアウトからインゴールへなだれ込み、2本目のトライを決めました。プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選出されています。
50キャップについて聞かれたピアス選手は、「嬉しいです。東芝ブレイブルーパス東京のような伝統のあるチームで、たくさんの人ができていないことなので、そういう意味でもとても嬉しいです」
印象深い試合を聞かれると、すぐに答えます。
「ひとつは去年のプレーオフトーナメントのファイナルです。これはとても印象的です。もうひとつはデビュー戦で、東京SG戦でした。府中ダービーは非常に激しい戦いになると聞いていましたので、その試合でデビューしたことはすごく覚えています」

この日記録した59得点は、2節の相模原DB戦であげた61点に次ぐものです。合計9トライのうち3トライは、FLシャノン・フリゼル選手によるものでした。71分、76分、80分と、わずか10分ほどでハットトリックを達成したのです。
複数トライを記録するのは、昨年12月の神戸S戦以来です。試合後には意外な思いを口にします。
「3トライはもちろん嬉しいですけれど、それよりもイエローカードをもらわなかったことのほうが嬉しいです」
今シーズンのフリゼル選手は、5試合でイエローカードを受けています。チームのために身体をぶつけていることは間違いなく、相手とのサイズの違いがはからずも危険なプレーにつながってしまうこともあります。
「身体が大きいのはしかたがないし、たとえばワーナー(・ディアンズ)は自分よりもっと大きいけれど、しっかりと低いタックルをしてイエローカードをもらっていない。自分もちゃんとやらないといけないです」
三重H戦へ向けては、ディフェンスコーチと時間をとり、タックルの高さを改めて確認しました。プレーのシチュエーションやエリアなども踏まえ、タックルのテクニックを見つめ直しました。細部にこだわるその姿勢が、チームの勝利につながっていきます。
「毎試合、自分の役割を全うすることに重きを置いています。1週間かけて役割を理解したうえで、それ以外のことは追いかけないように。自分の役割を果たすことで、チームが機能しますから」

■「札幌でまた試合があるなら、もっと長くプレーしたい」
札幌山の手高校卒業の伊藤鐘平選手は、63分からの出場となりました。接点で激しく身体をぶつけ、後半の猛攻を後押ししました。
「高校の恩師も、同期も、試合を観に来てくれました。頑張っている姿を見せられて良かったです。出場時間が短かったので、プレーに関わる機会は少なかったですけれど、今後また札幌で試合があるときは、もっと長い時間プレーできるように頑張っていきたいです」
母校の後輩たちも、スタジアムへ駆けつけました。伊藤選手は笑顔で「嬉しいですね」と話し、「(同じ札幌山の手高校出身のリーチ)マイケルさんと僕の活躍を見て、ラグビー部の選手たちも頑張ってくれたら」と、エールを送りました。

この日の勝利で11勝1分1敗の勝点51とした東芝ブレイブルーパス東京は、リーグ戦6位以上が確定しました。2シーズン連続3回目のプレーオフトーナメント進出を、いち早く決めています。
ひとつハードルを越えたことになりますが、チームはこれまでと同じように「一戦、一戦」のマインドで貫かれています。選手たちの思いを代表して、フリゼル選手が話します。
「僕たちは毎週の試合にフォーカスしています。変わらずに1試合、1試合と戦って、レギュラーシーズンの残り試合を良い形で終えることが、結果的にプレーオフトーナメントにつながると思います」
次節は4月6日(日)、神戸Sとのビジターゲームです。5連戦の4試合目で、レギュラーシーズンは残り5試合です。1試合の重みが増していくからこそ、東芝ブレイブルーパス東京はこれまでよりもさらに、目前の試合に気持ちを注いでいくのでしょう。
(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

【連載企画】東芝ブレイブルーパス東京 「物語り」
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次戦のホストゲームは、4/12(土)に秩父宮ラグビー場にて、静岡ブルーレヴズと対戦します。
第5節で黒星を喫した相手となり、注目の一戦です!
是非会場で皆さまの熱いご声援をよろしくお願いします!!