【物語りVol.146】リーグワン第15節レビュー
今シーズン2敗目は「プレーオフへの糧」に

■150キャップも「まだ通過点です」

 

勝敗に一喜一憂することはありません。

NTTジャパンラグビーリーグワン2024-25 第15節の静岡BR戦が、4月12日に秩父宮ラグビー場で行われました。

試合前のルーパスガーデンでは、ラグビー体験コーナーが活気に包まれました。選手のアイディアで実現したスクラム、モール、スティール、ラインアウトを体験しようと、年齢を問わずにたくさんの人が列を作りました。

12時キックオフの試合では、今シーズン2敗目を喫しました。

前半は0対26で折り返します。15分にCTBセタ・タマニバル選手がトライゾーンへ飛び込みますが、その前にノックフォワードがあったとしてTMOでキャンセルとなりました。この場面以外にも、攻め込みながら取り切れない展開が続きました。

後半は開始早々にLOワーナー・ディアンズがトライを奪います。しかし、その後は静岡BRに得点を重ねられ、最終的には26対56で敗れました。

試合後には、NO8リーチ マイケル選手の150キャップ達成のセレモニーが行なわれました。東芝ブレイブルーパス東京の荒岡義和代表取締役社長から記念の盾が手渡され、トッド・ブラックアダーHCからは記念Tシャツが贈られました。このTシャツはPR三上正貴選手がデザインしたものです。

リーチ選手の家族からは、花束が贈られました。また、同期入団の三上選手、FB豊島翔平選手、増田慶介氏(事業運営部)、リクルーターとして彼らの加入に関わった釜澤晋氏(営業本部部長)が揃い、リーチ選手と記念撮影に収まりました(森太志選手は欠席)。

三上選手、豊島選手は、この試合に後半途中から出場しています。三上選手は「(同期は)みんな、元気だなあと。若い選手たちに、もっと僕らがプレッシャーをかけられるようにやっていきたい」と、意欲を新たにしていました。

セレモニーでマイクを持ったリーチ選手は、メモリアルマッチが敗戦に終わったことを踏まえて、「一生忘れられない試合です」と話しました。「まだ通過点だと思うので、これからも応援よろしくお願いします」と頭を下げると、スタジアム全体が大きな拍手に包まれました。

試合後の記者会見では、「次は200キャップを目ざして頑張ります」と、力強く宣言しました。

 

■「自分の準備とチームのサポートは誇り」

 

この試合では、HO原田衛選手が50キャップを達成しています。

「(リーチ マイケル選手の150キャップとは)別の日のほうが良かったです。一緒やと埋もれてしまうので」と笑いながら話しました。

22年度の新入団選手として加入し、23年シーズンからほぼ休みなしで稼働してきました。「(数字には)固執していない」とのことですが、「チームメイトとチーム関係者のみなさんに感謝したいです。(加入から)1試合ぐらいしか欠場していないのですが、自分の準備やチームのサポートがあってのことなので、そこは誇りに思っていいかな」と、喜びを口にしました。

リーチ選手の150キャップについて聞かれると、「僕が偉そうに言えることではないですが」と、断りをいれてから答えます。

「150回、1週間準備をしっかりやらないといけないということを、精神的にも肉体的にもすごくタフな状況でも続けているというのは、本当に尊敬に値すると思います。ラグビー界のロールモデルというか、本当に尊敬する先輩なので、その人と一緒にやれていることも幸せです」

試合については聞かれると、表情が変わります。一つひとつの言葉に、悔しさが滲みます。

「静岡BRさんがホントにうまくて、そこに対処できないままズルズルといってしまって。そこから自分たちが焦って、個人プレーになってしまったのが良くなかったです」

静岡BRには、レギュラーシーズン2連敗となりました。「(プレーオフトーナメントへの)糧にしないといけないですし、何が良くなかったのかをしっかり精査したい」と結びました。

 

■「手痛い学びを今後へ生かす」

 

原田選手だけでなくその他の選手も、敗戦を正面から受け止めていました。

 SH杉山優平選手は、「自分たちのミス、自分たちのプレーができなかったのが一番かな」と、敗因を分析しました。具体的には、「自分たちが速いラグビーをするために速くセットして、速くブレイクダウンに寄ってというところの詰めが、いつもよりちょっと甘かったという感じはします」と話しました。

FB松永拓朗選手も、自分たちのプレーに矢印を向けます。

「自分たちのアタックができているときはすごくいいですし、プレッシャーを与えることができているという自信はあったんですけど、ブレイクダウンやファイトのところでボールを取られることが、前半は多かった。プレッシャーをかけて敵陣までいけるけどそこで取られる、というのが多かった。そこを改善しようとしていたんですけど、相手のプレッシャーにやられたなっていう気持ちはあります」

静岡BRのプレッシャーについては、佐々木剛選手も認めています。

「僕らは接点で、ブレイクダウンのところだったりで、相手に乗っかるというか勝って、ボールを動かしている。そこでプレッシャーを受けてスローダウンしてしまったことと、ラインアウトに対してプレッシャーをかけられたことで、スムーズなアタック、とくに自分たちが強みとするセットプレーから準備されたアタックが出せなかったのかなと思います」

SOリッチー・モウンガ選手も、静岡BRの圧力に触れました。

「静岡BRさんは素晴らしいチーム、素晴らしいラグビーで、プレッシャーをかけられたのかなと」

そのうえで、自分たちのパフォーマンスが本来のものに遠かった、との認識を示します。

「相手とは関係のないところで自分たちがミスを冒してしまうアンフォースドエラーが多く、チャンスまで来ていたのに最後で仕留めきれず、相手はこちらのミスからしっかり得点を重ねていきました。スコアを離されて追いかける展開になると、なかなか難しいところはあります」

そして、今後を見据えます。

「手痛い学びになりましたが、これを生かさないといけないです」

15節終了時点の順位は、埼玉WKが勝点60で首位、S東京ベイが勝点57で2位、東芝ブレイブルーパス東京が勝点56で3位となっています。バイウィークを挟んで、レギュラーシーズンは残り3試合です。

 レギュラーシーズンで3位以下に終わると、プレーオフトーナメントは準々決勝からの出場となります。原田選手は「そうなると(決勝戦まで)6連戦になってしまうので、少しキツいかなと思いますが、そこはあまり考えません」と、「一戦、一戦のマインド」を強調します。

 敗戦には悔しさや歯がゆさがつきまとうものですが、モウンガ選手は「ラグビーをやっていれば、こういう試合もあるよな、という。正直そんなに心配はしていません」と前向きです。敗戦の悔しさを噛み締め、修正点を認識しつつ、チームはこれまでと同じように次の試合へ向けて進んでいきます。

 

【連載企画】東芝ブレイブルーパス東京 「物語り」
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次戦のホストゲームは、5/10(土)に秩父宮ラグビー場にて、横浜キヤノンイーグルスと対戦します。
リーグ戦も最終戦となり、プレーオフの組み合わせにも大きく影響する重要な一戦となります。

会場で皆さまの熱いご声援をよろしくお願いします!!

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