【物語りVol.170】事業会社としての矜持、東芝ラグビーの矜持

■「4万人プロジェクト」から見えてきたもの
1月22日、東芝ブレイブルーパス東京は定例記者会見を実施しました。NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26の開幕から5節を消化し、東芝ブレイブルーパス東京は開幕節と4節がホストゲームでした。2試合の収支報告などについて、薫田真広代表取締役社長兼GMから説明がありました。
昨年12月14日の開幕節で4万人プロジェクトを掲げ、32613人を動員しました。天候に恵まれない条件下で、熱気溢れる空間を作り上げました。
薫田社長は「4万人プロジェクトを立ち上げたことで、見えてきた課題がありました。ラグビーのポテンシャルを感じることもできました」と振り返りました。
開幕節のイベントについては、事業運営部の佐川文彦部長、望月雄太氏からも振り返りがありました。
ホストゲームでお馴染みのラグビー体験は、「ノンメンバー選手とOBが集結して、かつてない規模で開催することができました」と佐川部長は話します。実に3000人から3500人の来場者に、楕円球に触れてもらうことができました。
初めての企画だったコリジョンシート升席は、チケットを販売する段階ではその迫力をイメージしてもらうのが難しかった、との課題があげられました。しかしながら、「会場で観たら面白そう、というありがたい声もいただきました」(佐川部長)とのことです。
同じく初の試みだったドッグシートも、問題なく運用されました。事業運営部では、「犬の鳴き声が響いて、試合に影響すること」への不安がありましたが、「飼い主さんが慣れていて、犬の行儀が良い」ことで、杞憂に終わりました。来場者に行なったアンケートの一部も紹介されました。
『ワンコと一緒にスポーツ観戦ができることに感謝です。さらに、導線の配慮や座席に余裕を持たせていただいたことに、ワンコオーナーの気持ちをとても分かってくれていると感じました』

■川崎市との連携をさらに深めて
26年1月10日開催のシーズン2度目のホストゲームは、Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsu(以下、とどろきスタジアム)を舞台としました。東芝ブレイブルーパス東京は「川崎にラグビーを根づかせたい、若年層のラグビーファンを増やしたい」(佐川部長)との思いから、今回は洗足学園中学高校の協力を得てイベントを実施しました。
また、アカデミーマッチも3シーズン連続で開催されています。佐川部長は「公式戦の前座として可能な限り組み込んでいき、ジュニアのみなさんの盛り上がりに貢献していきたい」と、さらなる継続開催へ意欲を見せました。
川崎市とはフレンドリーエリア協定を結んでいますが、薫田社長は連携の深化に意欲的です。株式会社東芝が川崎市へ本社機能を移転したことも踏まえ、セカンダリーホストエリア(追加的本拠地)としたい意向を示しました。
「セカンダリーとすることで自治体、地方協会との連携がより強固となることが期待されます。そして、川崎市、川崎市民の方々にラグビーを楽しんでいただき、このエリアのラグビーの普及と発展を後押ししていきたいと考えています」

■薫田社長のもとで「成長の加速」を現実に
昨年8月の社長兼GMとなってから、もうすぐ半年が経過しようとしています。薫田社長は「あっという間でしたね」と表情を和らげました。
開幕節のホストゲームは、味の素スタジアムで初の黒字化を実現しました。リーグワン連覇を達成しているチームへの期待値もあり、3つの冠スポンサーを迎えることができました。
4節のホストゲームも、とどろきスタジアムでは初めての黒字を記録しました。「右肩上がりの成長を、さらに加速させる」との就任時の思いを、薫田社長は現実の姿としています。
「興行については事業スタッフと連携をはかり、色々な学びをしながら進めています。4万人プロジェクトをしたからこその気づきがあったとお話しましたが、事業会社として有料観客を増やしていくことが大事です。そのために、リピート力を高めていきます。GMの立場でチームに触れると、開幕戦の敗戦から立て直してきている。ここから徐々にケガ人が戻ってきて、どうなっていくのか逆に楽しみです」
6節のS東京ベイ戦では、1万817人の観客を集めました。今節の6試合では最多の数字です。「しっかり集客をしながら、ホストゲーム各試合で黒字化を目ざしていきます」と、薫田社長は今後を見据えています。
なお、薫田社長の会見の最後に、公益社団法人アニマル・ドネーションへの寄付金の贈呈式がありました。開幕節のドッグシートの売上げの一部を寄付するもので、同法人の望月舞さんからは、「日本ラグビー史上初のドッグシートは、すごく大変だったのではないかと思います。日本のスポーツイベントではまだまだすごくレアなことで、開幕節でやっていただけたのは自分たちの取り組みを拡げるきっかけになります」と、感謝の言葉が聞かれました。

■チームに対する「貢献の価値」に差はない
続いて、トッド・ブラックアダーHCと森田佳寿コーチングコーディネーターが登壇しました。5節までの戦いについて、メディアの質問にも答えながらレビューしていきます。
トッドHCは、いつものように穏やかな口調で話します。
「チームの現在地を誇りに思っています。開幕節の敗戦は予期したものではなかったですが、そこから立ち直ってここまできたのは誇りに思います。今シーズンはケガ人が出て、開幕後のケガもあり、チームとして選手層の厚みが試されている。それだけでなく、自分たちが日ごろやっている過程がしっかりしたものかどうかも試されている。チャレンジングな期間、自分たちにとって新しい状況のなかで、しっかりと戦うことができています」
森田CCも、ここまでの歩みに成長を感じています。
「開幕戦でああいうゲームになると、何かを変えたほうがいいんじゃないかというメンタルになりやすい。慌てたり、自信を失ったりするわけですが、そういう意味でこの5試合で成長している。ああいったゲームのあとでも、ここを改善すればゲームの見え方が変わってくると、選手もコーチ陣も、地に足を着けてポジティブにやっている。それが成長を支えていると思います」
トッドHCが触れたように、ここまでの5試合ではリーグワンで初キャップを獲得した選手、東芝ブレイブルーパス東京での初キャップを獲得した選手が多く登場しています。「人を育てる文化」が、新たな選手の台頭を生み出しています。

トッドHCが語ります。
「自分がこのチームのHCに着任したときに、大きなテーマとして選手の育成がありました。当時若手だった選手たちがしっかり経験を積んで、大きな舞台で自信をもって活躍できている。誰もがチャンスを得るために頑張っています。それは、指導者として誇りに思えることです」
日々の練習では「一体感、団結感を大切にしている」とトッドHCは話します。一つひとつの言葉が、はっきりと熱を帯びていきます。
「スタート、リザーブ、K9がどういう構成になったとしても、全員に役割があると意識しながら、チームとして進んでいます。全員がオープンな姿勢で、同じポジションを争っている選手同士もポジティブにフィードバックするし、指摘し合う。『これを言っちゃったらコイツが伸びちゃう。自分が抜かれるから言わない』ということはありません。自分に自信を持ちながら、大人として相互に尊敬があるなかで、スタートでもリザーブでもK9でもチームにとって必要な人間だと理解して、しっかり準備をしている。チームに対する貢献の価値には差がないのだ、ということを理解してくれています」
そういってトッドHCは、自身が選手、HCとして在籍したクルセイダーズの文化を紹介しました。
「自分の後継者が成功できるようにしていこう」
利他の心でチームと向き合うその姿勢は、東芝ブレイブルーパス東京の「人を育てる文化」に通じるものがあります。3連覇へ向かっていく道のりで、選手たちは互いに支えないながら逞しく、しなやかに、困難を乗り越えていくことでしょう。
(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)






























































.jpg)


レスター.png)


-07.jpg)










日本計装.jpg)































































-02-コピー.png)


















-1.png)




































-コピー.png)
.jpg)
HP-logo.png)














-復元.png)

















-コピー.png)




