【物語りVol.184】リーグワン第16節レビュー 何があっても最後までやり切る

敗戦を引きずらず、前を向いていきます。
NTTジャパンラグビーリーグワン2025-26 第16節、横浜E戦が26年4月25日に秩父宮ラグビー場で開催されました。東芝ブレイブルーパス東京はここまで6位で、横浜Eは10位です。
14時30分キックオフの試合は、東芝ブレイブルーパス東京の得点で動きます。4分、ラインアウトから押し込んでアンドリュー・マカリオ選手がトライゾーンへ飛び込みます。しかし、23分、29分にトライを許すと、34分にリッチー・モウンガ選手が危険なプレーでイエローカードを受けます。14人になったところで3本目のトライを喫し、前半を5対19で折り返しました。
後半も14人でスタートし、モウンガ選手が戻る前に連続してトライを決められてしまいます。9分に髙橋昴平選手、22分にマイケル・ストーバーグ選手がトライしますが、横浜Eにも得点されて点差を詰めることができません。37分にセタ・タマニバル選手がトライをゲットし、モウンガ選手がコンバージョンキックを成功させましたが、26対50で敗れてしまいました。
モウンガ選手は「自分のパフォーマンスとしては、イエローカードにつきるかなと思います。あのタイミングで3トライを一気に許してしまい、試合が難しくなってしまいました。それに対しての責任をすごく感じています」と自らを責めました。さらには「相手のディフェンスがすごく良くて、苦しめられました」と横浜Eを讃えつつ、「自分たちはエクスキューション、プレーをやり切るところに問題がありました」と反省点をあげました。

■ナイカブラ選手が昨年5月以来の出場を果たす
この試合ではジョネ・ナイカブラ選手が、昨年5月3日以来の出場を果たしました。右ひざの前十字靭帯、膝蓋腱、半月板が断裂するという大けがを乗り越えて、ついに復帰へこぎつけたのです。
「ここまで来るのは、もちろん簡単ではありませんでした。精神的にしんどい時もありましたが家族、とくにふたりの子どもはいつも自分をサポートしてくれます。彼らのために頑張りたい思いがあり、その思いを原動力にここまでやってこられました」
この試合で戦列に戻るのは、「プランどおり」でした。「ターゲットとしていた試合で復帰できたのは、メディカルを含めたチームのスタッフの大きな支えがあったからです」と、感謝の思いを口にしました。
後半10分からグラウンドに立ち、終盤には力強いランからトライゾーンへ駆け抜けました。スローフォワードでトライキャンセルとなりましたが、復活を印象付ける場面でした。
「あのシーンは相手から逃げるのに必死でした。久しぶりの試合だったので、だいぶ息も上がっていたので。復帰については、チームメイトとまた一緒にグラウンドに立てたことは、嬉しく思っています。もちろん望んでいた結果は得られなかったので、残念ではありますけれど」
プレーすることへの「不安はない」と言います。「ただ、スピードが戻りきっていない。そこはしっかり調整したい」と、ナイカブラ選手は言葉に力を込めました。

■眞野選手も開幕戦以来のメンバー入り
この試合では眞野泰地選手も、開幕戦以来となる出場を果たしました。ナイカブラ選手と同じタイミングで投入され、持ち味とする力強いボールキャリーやタックルを披露しています。
「試合に負けてしまったので、悔しい思いはもちろんあるんですけれど、問題なくラグビーができて、それはもう心から嬉しいです」
長期離脱の原因は脳震盪でした。眞野選手は過去にも脳震盪を経験しており、復帰までのプログラムは慎重に組み上げられました。
「無理をしたらひどくなる状況で、前へ進みたくても進めない。休むことしかできないような状況で、チームがなかなか勝てていないのに自分は耐えるだけというか……試合に出たい気持ちと、いま出てまた脳震盪になったら、もうラグビーができなくなるという葛藤がずっとありました」
恐怖を克服した30分を経て、眞野選手のなかで闘志が燃え上がっています。責任感がくっきりと輪郭を帯びています。
「アタックで少しでも前へ出ていく意志を見せたかったし、ディフェンスでもつかまえたらもっと激しくいく。それが東芝だし、それがいままで勝ってきた理由なので、それをもう一回取り戻すために、まずは自分がやらないと。自分のスタンダードをもっと上げて、自分がやればチームはもっと良くなります」
そして、勝利を渇望する思いが溢れ出ました。
「ここからでも絶対に優勝できるので、優勝します。いやもう、こっから、絶対に。ファンのみなさんも、これだけ負けても応援してくれて、僕ら以上に悔しいのに……試合から長く離れて観る側を経験したことで、ファンのみなさんの気持ちがこれまで以上に分かったというか。ファンの人にもっと喜んでほしいし、このチームを応援して良かったと思ってほしい。勝ちます、次。今日は勝てなかったですけど、次はもっとハードワークして、勝ちます」

■高橋選手は「やるべきことは変わりません」
今節の結果を受けて、東芝ブレイブルーパス東京は7勝9敗の勝点35で6位となっています。4位のBR東京は勝点41、5位の東京SGは勝点40、7位のトヨタVは勝点33、8位の静岡BRは勝点30です。残り2試合の結果次第で、順位をあげていくことは可能です。
5月2日に開催される静岡BRとのホストゲーム最終戦に、チームは必勝態勢で臨みます。
髙橋昴平選手が話します。
「僕らやるべきことは、いつでも変わりません。小さいところにこだわってやっていけば、おのずと結果はついてくると思います。しっかり気持ちを切り替えてやっていきます」
豊島翔平選手は、チームが共有するメンタリティを明かします。
「誰もが優勝を諦めているところは一切なく、ネガティブになっているところもありません。毎試合自分たちのアタックを出せている時間はあるので、それをどれだけ長く出せるか。リッチーとかマイケル・コリンズが日本語を使って、『イチニチ、イチニチ、成長できる』と話していますが、日々成長し続けることを継続していきます」
豊島選手が名前をあげたモウンガ選手も、目前の試合に集中します。先は見ていません。
「静岡BR戦以降のことは考えずに、1試合ずつ見ていくことが大事です。自分たちがやれることを信じて、しっかりベストを尽くす。やりきることだけを考える。何があっても最後までやりきることです」
自分たちの未来は、自分たちの手の中にあります。だからこそ、選手たちはひたむきに、飽くことなく、日々の練習から全力で取り組んでいきます。
(文中敬称略)
(ライター・戸塚啓)






























































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