【物語りVol.193】リーグワン 2025-26 プレーオフトーナメント準々決勝プレビューすべてを賭けて。決勝戦と思って戦う



■「自分たちの強みをどれだけ出せるか」

プレーオフトーナメント準々決勝2日前の5月22日、東芝ブレイブルーパス東京はチーム練習を公開しました。選手たちは霧雨が降るなかで一つひとつのシーンに熱をこめて、細部にこだわってプレーをしていました。

練習後にはリッチー・モウンガ選手が取材に応じました。

「選手たちはみんな、試合を心待ちにしています。1日ずつしっかり準備をしてきて、日曜日を最高の状態で迎えられるようにここまで来ています」




モウンガ選手はこれまで、シーズンの重要な局面でチームメイトに強いメッセージを発信してきました。豊富な経験に基づいたその言葉は、チームに自信と落ち着きをもたらします。

「色々な話をしていますけど、一番はどれだけ大きな舞台なのかということと、かかるものの大きさをしっかりと理解したうえで、目の前の壁は高くともみんなで登りにいこう、ということですね。僕らには経験もありますから、このチャレンジにみんなで向かっていこう、と」

同時に、と言って言葉をつなぎます。負ければ終わりの一発勝負の重さを理解しつつ、モウンガ選手の心がざわめくことはありません。リーグ戦と変わらないマインドで、大一番を迎えようとしています。

「プレーオフという名前はついていますけれど、ラグビーの試合であることに変わりはありません。勝敗を分ける基礎的な部分、細かい部分をやりきるだけだよ、という話もしています」



23-24シーズンはリーグ戦2位、24-25シーズンは同1位でプレーオフトーナメントに進出しました。今回は6位での出場となりますが、モウンガ選手は「ここまで起きたことは関係ない。ここまで良かったのか、悪かったのかも関係ない」と話します。キャプテンのリーチ マイケル選手も、「ここまで来たら全チームがフラット。自分たちの強みをどれだけ出せるのかがカギになる」と語ります。

S東京ベイとは2度対戦しており、1月24日の6節は24対20で競り勝ちました。一方で、3月28日の13節は7対51で敗れました。リーチ選手は「テリトリー、規律、コリジョン」の3つを、準々決勝のポイントにあげます。

「この3つをどれだけ正確にできるか。クボタは敵陣にいきたいチーム。簡単にエリアを取らせないのが重要です。マイボールのブレイクダウンまわり、ディフェンスではコリジョンエリアが大事です」



リーチ選手は14日に行なわれたメディアカンファレンスに、チームを代表して出席しています。全6チームのキャプテン(または共同キャプテン)が出席した舞台で、「シーズンを通して応援してくれた、遠い試合にも駆けつけてくれたONE LUPUSのみなさんに感謝したい」と話しました。この日のメディア対応でも、応援してくれる方々への思いを口にします。

「自分たちにとっても、ONE LUPUSのみなさんにとっても、大変なシーズンでした。しっかり東芝ブレイブルーパス東京らしい戦いをして、勝って、次のステージへ進みたいです」

そして、燃えるような思いを言葉にしました。

「今週は決勝だと思ってます。すべてを賭けてやるしかない、というメンタルで挑みます」



■苦難を経て深まった「絆」

この日の午後には、オンラインでの記者会見も行なわれました。東芝ブレイブルーパス東京からはトッド・ブラックアダーHC、松永拓朗選手が出席しました。

松永選手もリーチ選手と同じく、「決勝だと思って戦う」と話しました。これはもう、ふたりだけでなくチーム全体に共通するマインドセットと言っていいのでしょう。

「S東京ベイが3位で東芝が6位とか、順位はまったく関係なくフラットに見ています。S東京ベイに対して全力を尽くす。準々決勝とかは関係なく、決勝だと思って一戦一戦全力でぶつかりたいです」

今シーズンのリーグ戦では、何度となく苦しみを味わいました。過去2シーズンとは異なる歩みに、松永選手はポジティブな要素を見出します。

「今シーズンは色々な負けも、色々なしんどいことも経験して、それを乗り越えるために話し合ったりしてきたメンバーなので、絆は過去2年のシーズンより強まっていると思います。だからこそ余計にこのプレーオフが楽しみですし、すごくいいチャレンジになるなと思っています」



トッドHCは、いつもどおり落ち着いた雰囲気を漂わせます。その口ぶりには、期待がにじんでいます。

「負けたら終わりのノックアウトですけれど、選手はこういう試合のためにプレーしているのでしょう。自分たちスタッフも、こういう試合のためにコミットし続けています。そういう意味で、日曜日の試合は本当に楽しみです」

直近の対戦を学びとして、準備を進めてきました。

「コリジョンが非常に大事になります。前回対戦した際は、自分たちのアタックがなかなかできずにプレッシャーを受けてしまいました。前回の対戦からの学びは大きなものがあり、そこから自分たちが変わったんだぞ、より良くなったんだぞというところを見せる。そのために、まずはフィジカルでやられずにしっかり戦いにいくと同時に、相手が出したいフィジカルな部分を出させないようにしたい」

チャンスで取りきることも、勝利への条件にあげました。

「前回の対戦でもチャンスを相当数作れたのですが、なかなか得点に結びつけることができなかった。そういったシーンをしっかりモノにしていくことが大事です」

リーグ戦の18試合を通して、一人ひとりがそれぞれに成長を遂げ、互いの関係性をあらゆる意味で濃く、深くしてきました。汗をたたえ、喜びを噛み締め、痛みを分かち合ってきた積み重ねを、5月24日にぶつけます。



(文中敬称略)
(ライター・戸塚啓)


【連載企画】東芝ブレイブルーパス東京 「物語り」
・物語り一覧はこちら



いよいよノックアウトステージのプレーオフが始まります。
東芝ブレイブルーパス東京は、5/24(日)14:30より秩父宮ラグビー場にて、リーグ戦3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦します。

会場で皆さまの絶大なる応援をお願いいたします!

関連リンク

LINK

パートナー

PARTNER

このページのトップへ