【物語りVol.204】2026-27 プレシーズンレポート(第1回)



いざ、王座奪還へ──。

12月12日開幕のジャパンラグビーリーグワン2026-27へ向けて、東芝ブレイブルーパス東京は厳しいトレーニングに励んでいます。今回からプレシーズンのチームの動向を、定期的にお伝えしていきます。





プレシーズンのブロック1として、7月20日からトレーニングがスタートしました。前シーズンのプレータイムが少なかった選手、若手選手の参加を前提としていましたが、多くの選手がこのタイミングから汗を流していました。

8月17日からは、参加可能な選手全員が集まり、ブロック2を消化していきました。そして、9月14日からブロック3に突入しています。ここから強度が上がり、より実戦的なメニューが増えていきます。




18日の練習後、尹礼温選手が取材に応じてくれました。24年度加入の尹選手は、今年8月にプロ契約へ切り替えました。

「シンプルにラグビーに集中したいというか。とくにオフシーズンの時間の使いかたとして、社員選手だと社業があるのでトレーニングやリカバリーに充てる時間が、どうしても少なくなってしまう。そのオフシーズンをもっと計画的に、自分のパフォーマンスアップに直結させるための時間にしたい、と思いまして」

社員選手としてプレーを続ければ、選手としてのキャリアを終えたあとは社業に専念することができます。将来が保証されている、との言いかたもできるでしょう。尹選手は選手としてもっともっと輝くために、ラグビーに人生を捧げるとの決意を固めたのでした。

「自分を追い込んで、思い切りやろうと」



環境を変えたことで、意識が変わりました。

「去年までのプレシーズンは普通に調整をして、練習試合でパフォーマンスを出せるように頑張ろうという意識でした。今年は最初から様子見をしないというか、初日から全力で、すべてを出し切る意識で臨んできました。練習が始まってからずっとトップギアでやってきている感じですけど、個人的には身体が動けているし、いまのところは順調に過ごせています」

視線の先に見据えるのは、初キャップ獲得に他なりません。

「試合に出る。それがすべてです。明日からも全力でやっていきます」






尹選手と同じ24年度加入の石岡玲英選手は、25-26シーズンの第2節で初キャップを獲得しました。そのまま試合に絡んでいき、プレーオフトーナメント準々決勝を含む17試合に出場し、6トライを記録しました。

「昨シーズンが終わった段階で、この結果に絶対に満足してはいけないと強く思いました。自分がそれだけ試合に出ることができたのは、ケガ人が出たとか色々な要素があったからです。他のチームには、10トライ以上あげた選手もいました。そういうことを考えると、もっとチームに貢献しなければいけないし、自分がどういうプレーをしたら周りの選手がトライを取れたのかとか、シーズン中から考えることがたくさんありました」

試合で懸命にプレーして、試合後に自分を見つめて、また試合へ向かっていく。全力疾走で駆け抜けたシーズンを経て、石岡選手は成長速度を上げていきます。

「試合に出るだけじゃなくて、試合に出て何をするのか。そこまでこだわりたいと思いながら、オフシーズンを経てプレシーズンを過ごしています」






レベルアップの足がかりとして、体重増に取り組んでいます。



「去年のシーズン中は84キロぐらいで、いまは87から88キロまで増やしています。ジョネ(・ナイカブラ)みたいな選手だと、相手が揃っていても、ボールがちょっと悪くても、チームに勢いがなくても、自分のプレーで前へ出ていく。チームを好転させるきっかけを作れる。いまの自分にはそういう部分が欠けているので、スペースがない場面でも負けないようにしたい。もちろん、スペースがあるなかで前へ出ていくのは自分の強みなので、そこのレベルをさらに上げつつも、です」

チームはジョシュア・シムズHCのもとで、新たなコーチングスタッフが加わりました。新加入の外国籍選手も、順次チームに合流しています。

「去年の結果を受け止めつつも変に気負うところはなく、それぞれが自分と向き合いながら、チームが勝つためにコーチ陣が言っていることを理解して、身体で表現することに前向きに取り組んでいます。まだ合流していない選手もいますが、世界で戦っている選手たちがどんな影響を与えてくれるのか、誰もが楽しみにしているじゃないかなと思います」




なお、18日の練習後には、トヨタモビリティ東京株式会社からラッピング車両が贈呈されました。同社とオフィシャルパートナー契約が締結された証として、チームのエンブレムやロゴ、チームスピリットの『猛勇狼士』が施された唯一無二の車両が提供されることとなりました。


クラブを代表してあいさつしたシムズHCは、「地域での普及などにこの車を使うことで、クラブの認知度がさらに高まると思います」と、トヨタモビリティ東京株式会社へ感謝の気持ちを伝えました。そして、「必ず安全運転することを誓います」と、笑顔を浮かべました。


東芝ブレイブルーパス東京では、試合会場への移動はもちろん、周辺自治体のイベントや学校行事などでの使用を見込んでいます。練習拠点のある地元の府中、多摩、川崎エリアを中心に、颯爽と走るラッピング車両を見ていただけることでしょう。




(文中敬称略)
(ライター・戸塚啓)


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