【物語りVol.206】新たなゲームモデルの構築へ



●デンプシー選手は「勤勉で厳しい練習を実感」

9月28日、東芝ブレイブルーパス東京は定例記者会見を開きました。薫田真広代表取締役社長兼GM、森井康浩アシスタントGMが登壇し、チーム名変更、新シーズンの事業目標、追加で獲得した新加入選手などに関する説明がありました。

その後はジョシュア・シムズHC、ジャック・デンプシー選手がマイクを握りました。

最初にシムズHCが、チームの現況を報告しました。

「新しいチームになったので、自分たちの土台を、新しいゲームモデルを作っています。新加入選手も徐々に合流してきていて、それぞれがどういうラグビー観を持っているのかを理解しながら、新しいラグビーをみんなで作っています」

デンプシー選手は、チームの印象について語ります。

「選手、コーチングスタッフが温かく迎えてくれ、うまく馴染めていると思います。いままで経験していない環境でプレーしているので、初めてプロ契約をした18歳のころを思い出すような、すごく若返ったような気持ちでいます。同時に、東芝の勤勉な厳しい練習を、身を持って実感しています。このチームは伝統的にFWが強く、勤勉で、ハードワークできる、と聞いていました。その一員になることができ、とても光栄に思っています」





19年のラグビーワールドカップをきっかけに、日本でプレーすることを夢見てきました。

「ワールドカップで日本中を旅しながらおよそ8週間滞在して、日本の文化、日本の人たち、食事などに魅了されて、いつか日本のクラブでプレーできたらと考えるようになりました。こうして実現するまでに長い時間がかかってしまいましたが、歴史あるチームのオファーで、決断は難しいものではなかったです」

自身のプレースタイルについて聞かれると、迷うことなく答えます。

「選手としての自分の強みは、ボールを持った局面での働き、ボールを持った状況でのコンタクトです。東芝のバックス陣にはいい判断のできる選手、いいランナーが揃っているので、接点でボールキャリアーとして相手を圧倒して、彼らのためにスペースを作り出せるように。早いボールのリサイクルなどでも貢献したい」




●「ワーナーは世界有数」とシムズHC

シムズHCは、NO.8での起用を示唆しました。

「スクラムの最後尾からのボールの扱いも素晴らしいし、本当に素晴らしいNO.8です。もうひとりのNO.8はほかのポジションもできるので、NO8でプレーしてもらうことになるでしょう」

もうひとりのNO.8──リーチ マイケル選手についても、シムズHCは語ります。

「ホントにスペシャルなラグビー選手です。これまでたくさんの選手に出会ってきたなかで、ホントに特別だと感じています。その理由は、身体も、精神も、ラグビーへの向き合いかたにおいても、進化を続けているから。競技特性の変化に合わせて、身体を変化させる能力がある。年齢や時間に抗い続けて、彼だけは第一線で長い間戦い続けている。その地位にしがみつくのではなく、ひとりの選手として常に向上し続けている」

スーパーラグビーでの経験を経てチームに復帰したワーナー・ディアンズ選手、原田衛選手への期待も口にしました。

「ワーナーはワールドクラス。リーグワンではなく、世界有数のLOのひとりです。何かを持って帰ってくると言うよりも、ワーナー・ディアンズとして帰って来てくれることがものすごく大きい。衛もHOとして世界と戦っていける選手。力強いプレーヤーになったと感じています。スーパーラグビーでの経験は言うまでもなく、能力を持ったタレントとしてふたりが帰って来て、FWにインパクトを残してくれると思いますね」





チームは10月17日に、今シーズン初めてのプレシーズンマッチを戦います。東芝府中グラウンドに埼玉WKを迎える一戦で、シムズHCはデンプシー選手の起用を予定しています。

「ジャック本人から、出ると言われたので。心身両面における彼のクラブへのコミットメントを、見てもらえるのでは。チーム内では『フィジカルの練習で、ジャックの強度が高過ぎて怖い』という声があがっているので(笑)、彼のフィジカリティを埼玉WK戦で見てもらえればと思います」

デンプシー選手が発揮する世界基準のフィジカリティは、スーパーラグビーで経験積んだディアンズ選手と原田選手のクオリティは、チームに化学反応をもたらすことでしょう。そしてもちろん、リーチ選手のハードワークとリーダーシップも。



(文中敬称略)
(ライター・戸塚啓)

関連リンク

LINK

パートナー

PARTNER

このページのトップへ