【物語りVol.25】 CTB ニコラス・マクカラン
ニックことニコラス・マクカランは、どんな思いを胸に秘めてプレーしているのだろう。
東芝ブレイブルーパス東京への忠誠心がある。チームと、チームメイトと、スタッフと、双方向でつながっていると感じている。
「帝京大学の選手だった当時に練習参加したんですけど、いい人たちばかりでした。ネガティブなことを言う人がいない。自分を受け入れてくれていると感じましたし、東芝ブレイブルーパス東京というチームが自分のプレースタイルに合っているな、と感じました」
加入後はティム・ベイトマンをロールモデルとした。自身と同じニュージーランド出身で、12番や13番でプレーする共通項もある経験豊富な選手は、19年から22年7月まで東芝ブレイブルーパス東京に在籍した。
「技術的にも精神的にも、サポートをしてくれました。ミーティングで、誰も思いつかないようなことを言ったり、型にはまらないことを体現している人で、自信を与えてくれました。現在のチームメイトのトム・テイラーも、キックなどのスキルを教えてくれます」
21年度加入のニックは、22年3月にリーグワンデビューを飾った。シーズン開幕から2か月ほどは試合に絡めなかったが、トディことトッド・ブラックアダーHCがピッチの内外でサポートしてくれた。
「トディはプレーやラグビー以外のところで、自信をもたらしてくれます。とてもいい人です。昨シーズンは体調を崩すことがあって、自分のパフォーマンスを上げるのにかなり苦戦しました。その影響でリーグ戦のデビューが遅れてしまったのですが、彼は怒るわけでもなく、『そういうことは誰にも起こることで、それまでいいトレーニングをしているから、チャンスは必ず訪れる』と言ってくれました。選手の立場をすごく理解してくれるのです」
家族とのつながりもモチベーションだ。
2歳年上の兄ブロディは、異国で過ごす日々の支えになった。帝京大学へひと足先に入学し、トップリーグのチームへ進んだ兄の背中を追いかけていくと、ニックのキャリアも切り開かれていった。
「いまリコーブラックラムズ東京でプレーしている彼がいることで、日本での生活も簡単になりました。日本に来たことも、兄がいたことが理由のひとつでした。先に道を作ってくれたのは大きかったですね。ホームシックになったこともないんです」
ニュージーランドで過ごす両親への感謝も深い。父もラグビー選手で、ワイカト代表でプレーしたスクラムハーフだった。
「僕はニュージーランドの小さな町で生まれて、地元に高校がなかったのでハミルトンの高校へ進学しました。両親はすごく頑張って、4人の兄弟全員をその高校へ通わせてくれたのです。高校へ行っていなかったら、自分のラグビー人生は始まっていなかった。そこが起点になっている。両親への感謝の気持ちは強いんです」
パワフルかつ勇敢に前へ出ていく姿に、東芝ブレイブルーパス東京への、家族への思いが映し出される。26歳はチームスピリットを体現し、最後の1秒まで戦い続ける。
(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)
【連載企画】東芝ブレイブルーパス東京 「物語り」
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・1/7(土)静岡ブルーレヴズ戦(@等々力陸上競技場)
・1/22(日)トヨタヴェルブリッツ戦(@秩父宮ラグビー場)
・1/28(土)花園近鉄ライナーズ戦(@秩父宮ラグビー場)