【物語りVol.79】「成長」を「結果」で示す

■「コラボタオル」でスタジアムを真っ赤に!

 4月17日(月)、東芝ブレイブルーパス東京は定例記者会見を行ないました。今回は荒岡義和代表取締役社長と薫田真広GMに加えて、トッド・ブラックアダーHC、小川高廣・德永祥尭共同主将も出席しました。
 会見の冒頭では荒岡社長がマイクを握り、21日のホストゲームに触れます。
「レギュラーシーズンの最終戦となり、対戦相手は昨シーズンの王者・埼玉ワイルドナイツさんです。ナグモクリニックさんにマッチデイスポンサーになっていただき、ナグモクリニック杯として開催します。会場にお越しの先着700名様に、ナグモクリニックさまとのコラボタオルを配布します。このタオルでスタジアムを真っ赤に染めて、チームを後押ししていただきたいと思います」
 この試合でも様々なイベントが用意されています。大野均アンバサダーがプロデュースしたクラブオリジナルクラフトビールが、先着300名様にプレゼントされます。14日のホストゲームでは無料配布はもちろんグッズショップ、場内売店での販売も大好評で、あっという間に完売となったそうです。
 荒岡社長も2種類のビールを楽しんだそうです。
「シルバーフォックスは口当たりが軽いので、そちらを先に呑んでからコクのあるレッドウルブズを吞みました。香りも良く、とても美味しかったです。さすがは大野均のプロデュースです」
 14日に引き続いてのイベントでは、フランス観光開発機構によるラグビーワールドカップ2023開催都市紹介ブースが、バックスタンド側のコンコースに設置されます。「前回は多くの方に興味、関心を持っていただいた」(荒岡社長)とのことです。大野アンバサダーが現地フランスを取材した際の映像は、ラグビーワールドカップの興奮を先取りできるものとなっています。

■「1万2千人プロジェクト」に最後までチャレンジ!

 21日は初めてのイベントも開催されます。株式会社ギャラクシーズによる『ラグビーVR』の無料体験です。
 リーチマイケル選手、藤野佑磨選手、原田衛選手が、リアリティあふれる3Dアバターで再現されています。事前に体験した荒岡社長は、「等身大の感覚があり、タックルをしてくる様子などを、臨場感を持って体験できます」とのことです。
 今シーズンの東芝ブレイブルーパス東京は、『1万2千人プロジェクト』を行なってきました。事業会社としてさらに前進していくために、ホストゲームで毎試合1万2千人の動員を目ざしているのです。これまでのところは、東京サンゴリアスとの府中ダービーで記録した1万68人が最高となっています。
 荒岡社長が熱い思いを明かしました。
「最後には1万2千人をぜひ達成したい、しかも勝利で飾りたいです。私たちは世界有数のユニークなラグビークラブを標榜し、様々な試みをしています。同時に、強くて人気のあるチームということで、強いというところではやはりプレーオフを是が非でも勝ち取り、リーグ優勝まで突き進んでいきたいと思っています」

■21日の最終節は『猛勇狼士』を体現する最高の舞台に

 続いてマイクを持った薫田GMは、今シーズンここまでの戦いを振り返ります。
「今シーズンはプレーオフ進出をターゲットに、強い東芝という印象を植えつけたい。東芝という会社のなかでもラグビーが象徴的な存在になるんだ、という信念を持ってやってきました。昨年のプレーオフ進出がフロックでなく、強化が着々と進んでいることを示すことができています。15節までにプレーオフ進出を決めることができれば良かったのですが、最後までチャレンジできていることが成長の証だと思います」
 プレーオフトーナメントには埼玉ワイルドナイツ、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、東京サンゴリアスの3チームが進出を決めており、15節終了時点で4位の横浜キヤノンイーグルス、5位の東芝ブレイブルーパス東京が最後の一枠を争っています。ここで気になるのは試合日程で、東芝は21日、横浜は23日に16節を消化します。
 薫田GMは「勝ってもすぐにプレーオフ進出が決まらないもどかしさはありますが」と苦笑いを浮かべつつ、「我々としてはやれることだけをしっかりやって、とにかく勝つ。我々の存在価値をもう一回見直して、金曜日まで過ごしていきたい」と力強く話しました。
 埼玉WKは15節の静岡ブルーレヴズ戦に敗れ、リーグワンでの連勝が30で止まりました。薫田GMは「勝ち続けていたチームが負けると、引き締まる。我々にとってはハードルが上がった」とし、「逆にそれがいいチャレンジになる」と前向きにとらえます。
「チームスピリットの『猛勇狼士』を体現する最高の舞台が整ったので、真っ向勝負でしっかり勝つことだけを考える。その戦いがプレーオフにつながりますし、来シーズンへ向けたファンのみなさんへのメッセージにもなります。東芝らしいゲームをしたい。表現を恐れずに言えば、バチバチのゲームをしたい。ハードルが上がったと言いましたが、それによってラグビーの本質というか、ホントにラグビーを楽しんでいただけるようなゲームになるのでは」
 薫田GMが発した一つひとつの言葉は、落ち着いた口調のなかに魂がこめられていました。

■埼玉WK戦は「ブレイクダウン」と「ディシプリン」がポイントに

 トッド・ブラックアダーHCと小川高廣・德永祥尭共同主将も、埼玉WK戦へ向けて闘志を燃やしています。トディの愛称で親しまれるHCは「コンニチハ」と日本語で挨拶をすると、10勝5敗の成績を残している今シーズンについて、「ここまでの戦いをすごく誇りに思っています。(9節の)クボタ戦に敗れて3連敗しましたが、そこから立て直して6試合連続で勝利をつかめたことを誇りに思っています」と、チームの成長を言葉にしました。さらにこう続けます。
「一番嬉しく思うところは、自分たちが継続してプレーできているラグビーについてです。素晴らしいタイプのラグビーができていると自負しています。アタックのフォーカスは、リーグで一番と言ってもいいのではないでしょうか」
 埼玉WK戦について問われると、お馴染みの「ワクワクしています」というフレーズが聞かれました。
「最後のホストゲームを楽しみにしています。自分たちのサポーターの前で、スポンサーの前で、最高の試合をしたいです。ここまでいい前進ができていると自負しています」

 小川共同主将も、トッドHCと同じ思いを抱いています。
「プレーオフ進出をかけた位置にいて、最終戦で前回王者のワイルドナイツさんにチャレンジできることを嬉しく思います。15試合戦ってきて成長してきたものを出して、自分たちのラグビーをして、試合に勝って、プレーオフ出場を決めたいと思います」
 德永共同主将も、「毎試合成長を実感できている」と言います。HCと共同主将が同じ感覚を共有しているところに、現在のチーム状況の良さが表われていると言えそうです。
「すごくタフな試合が続いていますけど、試合メンバー、スタッフ、(試合に出られないメンバーの)K9と、チーム全員でハードワークして、タフな試合を楽しみながら成長できていることが、僕たちにとってプラスだと感じています。プレーオフにいけるかいけないかは、自分たちがやるだけなので、パナソニック戦も勝ちにいきたいと思います」
 埼玉WKの連勝が止まったことについては、3人とも意に介していません。トッドHCは「負けてもそこまでの記録は素晴らしい」と相手に敬意を示し、「リーグにとってはどのチームも勝つ可能性があるのは素晴らしい。埼玉WKは素晴らしいチームですから、簡単に勝つことはできないでしょう。自分たちのチームも高いレベルの競い合いをしたいので、望むところです」と語る。
 埼玉WKとは開幕節で対戦し、前半リードで折り返しました。最終的にはPGを与えてしまい、19対22と3点差で敗れました。
「静岡さんが勝ったから自分たちもイケる、といった考えはありません。開幕節もそうでしたが、自分たちは勝てるチームだと思っています」

 小川共同主将意見に、德永共同主将が頷きます。
「僕もまったく同じで、開幕節も僅差でした。自分たちのラグビーに自信を持っていますし、どの相手に対してもできると思っています」
 試合のポイントはどこになるのでしょうか。小川共同主将はブレイクダウンをあげました。
「チームとして『接点無双』と掲げていますけど、ホントにブレイクダウンを強みとしていて、そこができないと自分たちのラグビーはできないと思っています。ワイルドナイツさんもブレイクダウンに強いチームなので、そこのやり合いになると思うし、そこで勝てれば自分たちのリズムになる」
 德永共同主将はここでも首を縦に振り、前回の対戦でも勝負を分けた規律をあげました。
「負けた試合、接戦になっている試合は、ディシプリンの部分で自分たちの首を絞めているところがある。そこは気をつけたいです」

 荒岡社長をはじめとしたスタッフは、ホストゲームで様々なイベントや企画を催し、選手がラグビーに打ち込むことができ、観客がラグビーを楽しむことのできる環境を作り出そうとしてきました。
 薫田GMとトッドHC、それに小川・德永共同主将以下選手たちは、2シーズン連続のプレーオフ進出へ向けてハードワークを続けてきました。
 東芝ブレイブルーパス東京というチームとして、シーズン開幕からたくさんの成長を刻んできました。文字どおりのビッグマッチとなる21日のホストゲームは、「成長」を「結果」で示す舞台となるのでしょう。



【連載企画】東芝ブレイブルーパス東京 「物語り」
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【チケット情報】
ぜひ試合会場にお越しいただき、東芝ブレイブルーパス東京の応援をよろしくお願いします!
4/21(金)埼玉パナソニックワイルドナイツ戦(@秩父宮ラグビー場)

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