試合結果

【リーグワン公式レポート】
NTTリーグワン2023-24 D1 第2節レポート（東京SG 19-26 BL東京）

【リーグワン公式ハイライト】
東京SG vs BL東京｜NTTリーグワン2023-24 D1 第2節

【マッチレポート】
vs東京サントリーサンゴリアス(2023/12/17)

「東京SGとの府中ダービー　「接点無双」で激闘を制す！！」

３万人超えの観客が集う味の素スタジアム。前節に続いて晴天に恵まれた第２節は、東京サントリーサンゴリアス（以下東京SG）との一戦、激闘の『府中ダービー』が行われた。東京SGとは、本試合を含め今季2度の対戦が見込まれており、東芝ブレイブルーパス東京（以下BL東京）にとっても難敵だ。
前半、BL東京は全体の連携が光る素早いアタックで敵陣に踏み入り、前半３トライの好発進。６点リードで迎えた後半は、受ける展開が続いたものの、接点勝負で競り勝ち、相手にトライを許すことはなかった。終盤にも、チームの強みである粘り強いディフェンスで相手の攻撃を阻止。26―19とタフな試合を勝ち切り、開幕から二連勝となった。

前半７分、BL東京のペナルティから東京SGがショットを選択。先制点を献上するが、10分、敵陣右22メートルライン内でのラインアウトから、モールで中心へ押し込む。すぐさま攻勢に転じ、SH杉山優平とSOリッチー・モウンガの連携から左に展開。モウンガが相手の隙を潜り抜け、オフロードパスを受けたWTB桑山淳生が本試合初トライにつないだ。難しい角度からのコンバージョンもモウンガが確実に決め、スコアは７―３。
22分にも、判断力を光らせたモウンガから右外に待ち構えるWTBジョネ・ナイカブラにキックパスがつながり、持ち前のスピードとキック技術を駆使しグラウンディングに成功。さらに31分には、自陣深くの相手スクラムからボールを持ち出した相手に、モウンガ、FL佐々木剛、NO.８リーチマイケルがプレッシャーをかけ続け、ターンオーバー。直後、こぼれ球に反応したHO原田衛のキャリーに好アシストしたPR木村星南がインゴール中央に飛び込んだ。
続く35分、相手の素早い連携からトライを奪われるが、その後は東京SGの展開をことごとく阻む。そのまま追加点を許すことなく、19―13の６点リードで折り返した。

後半序盤は、拮抗する展開が待ち受けた。自陣でのディフェンスに時間を取られるが、ブレイクダウンの激しい攻防に競り勝ち、幾度もピンチを脱出。11分には東京SGのペナルティゴール成功で後半初得点を挙げられるが、続く17分、インゴール手前でペナルティを誘発し、タップからFW陣の連続攻撃で深くに侵攻。最後は、FLシャノン・フリゼルが勢いよくインゴール右端をこじ開けた。モウンガのコンバージョンも華麗に決まり、スコアを26―16とした。
その後も膠着状態は続いたが、原田のジャッカルやFW陣を始めとした接点無双の強さを見せ、集中力を切らさない。33分、相手のPGで１トライ差に迫られ、会場全体で緊迫した雰囲気が漂う。しかし最後は、80分経過のホーンが鳴るまで守備の時間を耐え凌いだBL東京が逃げ切り、辛勝。26―19の１トライ差で府中ダービーを制した。

「東芝にとってはすごく大きな勝利になった」（リーチ）というように終始激しい攻防が続いた本試合。前半に見せた流れるアタックの展開、タフな試合の中で魅せたターンオーバーを勝ち取るＦＷ陣の好タックルやブレイクダウンでの強さは、今後につながる自信にもなったことだろう。中でも、「後半の立ち上がりは悪かったので、後半の入りと規律の部分は一番の反省点」（リーチ）と振り返るように、前半の全体的な流れが良かっただけに、自陣でのペナルティから得点を献上するなど、後半の規律面には課題が浮き彫りになった。
本試合の粘りのシーンで見られたように、今季加入選手だけでなく、一人一人が強みを生かして攻守共にファイトしていく姿は見る者を魅了する。「一試合一試合をしっかりと戦っていきたい」（杉山）。これからまだまだ続くタフな試合をチーム一体となって制し、日本一へと着実に歩を進める。

（ライター　谷口花）

【試合後コメント】
■トッド・ブラックアダー（HC）

Q．本日の試合を振り返って
　自分たちにとっても、東京サントリーサンゴリアスさんにとってもすごく大事な一戦で、今日は素晴らしい試合だったと思います。しっかりと準備してきましたので、リーチを始めとするチームメイトを誇りに思います。試合の中で細かく修正するというのも試合で発揮することができましたし、一番誇りに思ったところは、フィールド上でチームメイトがお互いのためにハードワークしていた姿です。ラインアウト、スクラム、セットピース、ブレイクダウンでしっかりとやってくれたと思います。また、相手チームのプロップの方のケガが気になっていますので、大事にならないことを祈ります。最終的には試合を締めくくれた部分は自分としても嬉しく思いますが、当然、規律の部分やペナルティを与えすぎてしまったところというのは、自分たちで改善していかなければならないです。それ以外は良い試合だったと思います。

Q．かなり競った中で、立ち上がりから東京サントリーサンゴリアスがやりたいテンポにはさせなかったという意味では良い感触があったのかなと思いますが、入りの部分を振り返っていかがですか
　まさにおっしゃった通りで、試合開始からその点はうまくコントロールできたかなと。選手自身もコリジョンのところを正確にいきたいということで、試合の序盤からしっかりできていたと思います。

Q．ゲームプランとして選手皆が望んでいたのですか
　そうですね。前回の試合からの学びでもあり、やはり最初から勢いを取る上では、東京サントリーサンゴリアスのような相手ではコリジョンの部分はしっかりとやらなくてはいけないというところがしっかりと意識してできたかなと思います。

■リーチマイケルキャプテン（FL）

Q．本日の試合を振り返って
　３万人のファン前でプレーできたこと、とても嬉しく思います。ヘッドコーチが言ったように、東京サントリーサンゴリアスにとっても、僕たちにとってもこの試合は特別意識している試合です。府中の皆さんにも、ラグビーファンの皆さんにも、良いゲームを見せられたかなと思います。これからシーズンを通してどんどん成長していきたいと思っています。

Q． ご自身として東京サントリーサンゴリアスを相手にどのようなことを意識されていましたか
　東京サントリーサンゴリアスはスタイルもはっきりしていて、試合序盤から左右に近いエリアで動かしたりしていたので、それをよく対応できたなと思います。ただ、後半の立ち上がりは悪かったので、後半の入りと規律の部分は一番の反省点です。

Q．代表の監督も決まりましたが、その点は
　誰もが目指したいし、どんどん自分でアピールして(日本代表に)呼ばれるようにしたいと思っています。エディ・ジョーンズは前から日本ラグビーを良くしたいという思いがすごく強くて、日本のラグビーをよく知っているヘッドコーチだなと思います。これからどういう風になるのか、すごく楽しみです。

Q．我慢して守り切った場面がいくつかありましたが、それらが出来た要因についてはいかがですか
　全員が何をやらないといけないかという具体的なプランがあって、終盤のところではディシプリン（規律）のところが上手く機能せずに残念でした。ただ、やらないといけないことを皆分かっておりアクションを起こせばできます。今後は、疲れている時こそプラン通りにできるよう、直していかないといけないです。

Q．東京サントリーサンゴリアスが16点を取った後にハドルを組んでいましたが、どのようなことを話されていたのですか
　ネガティブな結果がどんどん続いていて、ここからどうやって立て直すか、キックオフしてタックル入って、カウンターから良い流れを作ろうと言いました。

Q．前半の２トライ、リッチー・モウンガ選手の良いプレーで得点につながったと思いますが、彼の動きはいかがでしたか
　モウンガ選手は、引き出しが非常に多くて、先週も言いましたが自分でしっかり仕掛けていく、判断も良いですし、ランもスピードがあって頼もしいです。これから、思った事をチームに要求してほしいと思います。もっと厳しくＦＷはこのような動きをしてほしいとか、来週に向けてのフィードバックも言ってほしいと思います。まだ少し我慢するところもあると思いますが、そうならないようにどんどんチームに意見してほしいと思います。

Q． 去年トップ４に入っていた東京サントリーサンゴリアスに勝ったことで、チームや自身はどのように捕らえていますか
　先週、東京サントリーサンゴリアスはクボタスピアーズ船橋・東京ベイに圧勝して、非常に勢いを持って準備してきたと思うので、勝ったことで自分たちにも自信がつきました。東京サントリーサンゴリアスはすごく良いチームですので、そのチームに勝ったと言う事は、東芝ブレイブルーパス東京にとってはすごく大きな勝利になったと思います。今後もスコアがタイトな試合が多くなってくると思うので、両チームにとっては今日の試合はとても得るものがあると思います。こういうタイトな試合をどんどんやっていくと、代表につながると思います。

Q．ご自身のパフォーマンスの評価
　10点中４点ですね。まだまだスピードもないし、後半はバテますし、もう少しスマートに働かないといけないと思っています。

Q．相手のサム・ケイン選手（東京ＳＧ）と久々にご対面していかがですか
　サム・ケイン選手はすごくリスペクトしている選手でもあって、憧れの選手です。すごくタフガイな選手です。どんなタフな場面でも、彼がいつも前に出てきます。試合前は「日本は楽しいね」とか「これから頑張りましょう」みたいな会話をしました（笑）

Q．連日のリーグワンの盛り上がりに関してどのように受け止めていますか
　盛り上がりにはすごくびっくりしています。どんな試合でも多くのファンが集まって、スーパーラグビーより人気になってるんじゃないかというくらい人が増えていますし、良い流れになっているんじゃないかなと思います。

■リッチー・モウンガ（SO）

Q．前半２トライに絡んでいましたが、自分ではどういう風に考えていましたか
　前を見て、目の前の状況に対して対応しながらプレーする、1週間通して準備してきたところを出す事を意識していたので、結果として良い形で終われてよかったです。

Q．右サイドにキックパスをかけたシーンを振り返っていかがでしょうか
　相手の松島選手がかなり寄っていたのが見えたので、ジョネが空くなという風に思ったので蹴りました。自分のキックは、本当に単純なキックだったので蹴るだけだったんですけど、そのあとジョネが素晴らしいプレーで対応してくれたので、スキルとパワフルさも備えた良い選手だということを、改めてジョネが見せてくれたなという印象です。

Q．改めて府中ダービーということで、３万人の観客が入ったというところで感じたものはありましたか
　まだ加入して間もなく、府中ダービーというものがどういうものかを肌で感じたことがないので、どういう感じなんだろうとは思っていましたが、チームメイトの準備に対する姿勢などで、重要な試合なんだなというのが分かってきました。今日改めてたくさんのお客さんに観戦していただき、チームメイトの戦い方を見て、本当に気持ちが入っている試合なんだなというのが伝わり、自分自身もその一部になれたことがすごく良かったです。

Q．スーパーラグビーで入場者３万人というのはどのくらい経験があるのですか
　３万人というのはかなり大きな数字なのかなと思います。自分を含め、選手たちも多くの人に見守られながらプレーできてよかったと思います。

Q．相手のＳＯは新人の若い選手でしたが、どういう印象を受けましたか
　ものすごく素晴らしい選手だなと感じました。オールラウンドで、ボールを持ってのスキルもそうですし、プレースキックもすごく安定していて、今後明るい未来を持った選手になるのかなと思いました。今後数年で日本代表のジャージーを背負って戦う日も間違いなく来るのかなと思います。

Q．東京サントリーサンゴリアスにはアルゼンチン代表のニコラス・サンチェス選手が加入します
　彼自身にとっても、日本のラグビーファンの方々にとっても素晴らしい加入になるのではないかと思います。彼みたいな経験ある選手を迎え入れられた東京サントリーサンゴリアスにとっても素晴らしいことだと思いますし、自分自身も彼を間近で見て学ぶことができるので、素晴らしい機会になるなと思います。

■木村星南（ＰＲ）

Q．ご自身のトライシーンを振り返って
　たまたま原田選手がボールを渡してくれたので、それを取って、たまたま行けたという感じですね（笑）。

Q．スクラムに関してはいかがでしたか
　ゲームに入る前から、セットピースは全部ドミネートするとうテーマを持ってやっていたので、そこは自分的にも自身がありましたし、年中やってきたことを出せたかなと思います。

Q．ポジションは違いますが、モウンガ選手がチームに与える影響については
　そうですね。やっぱり世界で戦っている選手らしさがあって、練習の全ての部分で高いスタンダードでやっているので、それに僕たちも良い影響を受けて、逆に影響もして、どんどん高いレベルでやっていこうという気持ちにはなっています。

Q．具体的にどういった部分で高いスタンダードを感じますか
　精度であったり、一貫性のあるスキルであったり、全てにおいて高いレベルで常に出せるというのがすごいなというのはあります。

Q．リーチマイケル選手がキャプテンに戻られましたがその点はチームの雰囲気はいかがですか
　そうですね。やっぱりプレーで示してくれるので、キャプテンがプレーでみせくれたらどんどんついていこうという気持ちになります。言葉だけじゃなくて、プレーでしっかりと引っ張っていってくれるので、良い勢いをマイケルさんから受けていると思います。

Q．連勝していくためには何が必要でしょうか
　一戦一戦、良い準備を、良いレビューというのをして、気を抜くことなく、どんな相手でも自分たちのやるべきことを遂行していけば、勝利に近づくと思うので、毎回そういうところを大事にしていきたいと思います。

12月17日（日）東京サンゴリアス戦（ビジターゲーム）の観戦について