桑山 聖生 | FB

TOSHIKI KUWAYAMA

桑山 聖生
桑山 聖生
ニックネーム としき
生年月日 1996/6/6
身長(cm) / 体重(kg) 184cm / 95kg
足のサイズ(cm) 29cm
出身地 鹿児島県
星座 ふたご座
血液型 B型
略歴 鹿児島実業高等学校早稲田大学
代表歴 ジュニアオリンピックU20日本代表セブンズ日本代表U25セブンズ日本代表ユニバーシアードセブンズ日本代表セブンズユース日本代表
在籍年数 5

桑山 聖生物語

 カメラのレンズが切り取る桑山聖生の表情は、写真を撮られていることを感じさせない。力みがないのだ。スーツで決めた写真はもちろん、筋肉美のショットにも飾ったところがないのである。
「基本的に淡々とした人間なんです。気持ちの上げ下げをできるだけ減らしたい。感情の起伏をできるだけ抑えたい。そうやって気持ちをコントロールするようになったのは中学生から……いやっ、当時はスカしていたところもあるので、実際には大学4年ぐらいからですね」
 早稲田大学3年時と4年時は、思うように試合に出られなかった。「対抗戦は半分ぐらいしか出ていないです」と言う。
鹿児島実業高校在籍時から、将来を嘱望されていた桑山である。試合に出られないという現実は受け入れ難かったに違いなく、歪んだ感情を覚えてもおかしくなかったはずだ。しかし、まさにこのタイミングで、彼はメンタルを整える作業に取り組んだ。
「監督の方針に実力が追いついていない、というのは感じていたんです。試合に出られないなら、うまくなるしかない。出られるようになるまでうまくなろうと、コーチとも練習をレビューしたりして、試合に出るためのプロセスはしっかり踏んでいました。練習とか練習試合に課題を持って取り組んで、成長していくのが大事だという考えで。そこは、いまも生きているなと思います。試合に出られなかったあの時期が、自分を強くしてくれました」

 2019年に東芝ブレイブルーパス東京(当時は東芝ブレイブルーパス)へ加入すると、リチャード・カフィに強い影響を受けた。オールブラックスの一員としてW杯優勝を飾った愛称カックスは、13年から20年まで府中グラウンドで汗を流した。
「一緒にやったのは1年だけなんですけど、練習への準備、練習中、試合への準備、試合中のプレー、それからグラウンド外でも、あらゆる場面で学ぶことが多かったですね。プロとして10年以上やっていて、目をかけて声もかけてくれて、それで成長できたし。カックスはいいプレーヤーであり、いい人間でもありました。それがすごく大事だな、自分もそうなりたい、と感じました」
 東芝ブレイブルーパス東京には人間力を磨くカルチャーがある。ラグビー選手としてはもちろん、人間としても成長していくことを共通認識としている。「猛攻猛守の紳士なり」との言葉は、チームのカルチャーを分かりやすく表わしていると言っていい。
 コロナ禍でのあいさつとして広く一般的になったグータッチを、桑山はさりげなく、それでいて積極的に実践している。日常的に接点を持ちにくいフロントスタッフとも、拳を当てているのだ。
「そういうのもカックスはすごくやっていて、彼がいなくなってやらない時期もあったんですけど、去年かな、『あいさつをしっかりしよう』という講義があって、改めてしっかりやっていこうと、チームでそのときに話したんです。僕自身は元々挨拶をするほうだったんですが、いまもそうやって続けています」

 在籍4年目を迎える。伝統ある赤と黒のジャージーを身にまとうのは、彼にとってあらかじめ決めていた人生のルートだった。
「僕は鹿児島が出身で、小さいときから東芝が合宿に来ていました。ラグビークリニックで教えてもらったり、僕らのクラブのコーチのとのつながりで、OBの皆さんや当時の選手の方たちと食事に行ったりと、すごく交流がありました。東芝でプレーしたい気持ちは、ラグビーを始めたときからあって。それはひとつの目標でしたし、(採用担当の)望月さんが声をかけてくれたときは、ふたつ返事で行きたいですと答えました」
 東芝ブレイブルーパス東京でプレーすることが現実となっているいま、桑山はチームの勝利にいかに貢献できるのかに焦点を当てる。
「僕自身はワンプレー、ワンプレーをしっかりと、いい判断、いいタックル、いいキャリーというのを、やり続ける。そこへの準備は怠りません」

 落ち着いた口調のなかにも、確かな「熱」を感じさせる。「内側は燃え盛っているんです。プレーになるとうるさいんです」と、ちょっぴり慌てたように言い添える。ラグビーに対しては、真摯に向き合っていることが分かる。
「試合中は何か悪いこと、難しいことが起こっても次がくる。ひとつミスをしても次の仕事、次の仕事、と心掛けています」
リーグワンの試合を観戦するブレイバーのみなさんには、チームが劣勢に立たされた状況での桑山に、ミスをした後の彼に、ぜひとも注目してほしい。
 桑山聖生というラガーマンの真髄が、その瞬間に見えるはずだ。
(文中敬称略)
(ライター:戸塚啓)

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