【物語りVol.4】 ワーナー・ディアンズ「準備してきたものをやるだけ」

 秋の日本代表シーズンへ向けて、代表候補選手が合宿を行なっています。合宿期間中はオンラインでのインタビューが設定されており、東芝ブレイブルーパス東京所属ではワーナー・ディアンズ選手が7日に対応しました。
(今回の記事は、9/7に行われた日本代表選手オンライン取材をもとに構成されています)

 
 今回の合宿には、どのようなメンタルで臨んでいるのでしょうか。
「個人的なフォーカスは変わってないですね。まだ経験が少ないし、まだ若いので、いいパフォーマンスを出すための準備にフォーカスしています」
 合宿初日から、強度の高い練習が行なわれているようです。
「始まりからすごいキツい練習で、(7月の)フランス戦とかでやっていたプレーをもう一回やり始めたので、それをみんなで学んでいます。個人的には、この前の試合とあまり変わっていないです。自分の身長を生かして、空中戦とかラインアウトとか、キックオフで勝って、自分の身体を生かしてフィジカルバトルで勝つことをフォーカスしています」
 7月のフランス代表戦は、ティア1との初対戦でした。初キャップを獲得した昨年11月のポルトガル代表戦や、6月のウルグアイ代表戦と比較して、試合に臨む姿勢などに違いはあったのでしょうか。
「とくに何も変わっていないというか、合宿とかで準備してきたものをやるだけ、というフォーカスでした。緊張感とかプレッシャーはそんなになくて、試合もただの試合というわけじゃないですけど、そういう感じですね。ティア1のチームだからということは、あまり考えなかったです」
 いつもと変わらない姿勢で臨みましたが、相手は世界のトップ・オブ・トップです。ピッチ上では様々な気づきがあったようです。
「試合のなかで、キャリーとかタックルとか何回もあったんですけど、その回数をあげるためのワークレートとか、オフ・ザ・ボールの動きをもうちょっと早くしないといけない、と感じました。ワークレートを上げるのはメンタルが大事だと思うので、キツいなかでどれだけできるか、という感じで練習をしています。練習で何回いけるとか、あまり休まないとか、そういうことを意識しています」


 ラグビーワールドカップ2023(RWC2023)フランス大会の開幕が、ほぼ1年後に迫っています。日本中が熱狂した前回のRWC当時、ディアンズ選手は高校生でした。
「ニュージーランド代表対アイルランド代表の準々決勝を観に行きました。色々な試合を観て、高校生だったので『すごいな』と思っていました。ジャパンの試合はアイルランド代表戦をお父さんと自宅で観て、メチャ盛り上がりました。いまはそういう選手たちと試合をすることになるので、ちょっと変な感じがします(笑)」
 RWC2023フランス大会へ向けて日本代表候補に選ばれることを、当時からイメージしていたのでしょうか。ディアンズ選手は控え目な笑みを浮かべながらこう話しました。
「実際にこうやって選ばれるとは考えなかったですけど、そうなったらいいなと思っていました」
 もっとも、RWC2023については、「いまはまだ、あまり考えていません」と語ります。10月に控えるオーストラリアA代表戦に意識を向けています。
「オーストラリアA代表との3試合に出て、そこでいいパフォーマンスを出して、次のニュージーランド代表戦へつなげられたらいいなと、いまは思っています」
 ニュージーランド出身のディアンズ選手にとって、10月29日のオールブラックスとの一戦は特別なものになるのでは?
「オールブラックスの試合は観ていて、最近はいいパフォーマンスも悪いパフォーマンスもありますが、あまり深くは考えていないですね。ラグビーファンとして観ているだけなので。対戦相手としてというのは、まだ考えていません。それよりもオーストラリアA代表戦に出られるように、その三つの試合に向けて集中しています」


 日本代表のジェイミー・ジョセフHCは、現在の52人から「40人ぐらいまで」選手を絞り込み、オーストラリアA代表戦に臨むとしています。まずは10月1日のオーストラリアA代表戦へ向けて、ワーナー・ディアンズ選手のアピールが続きます。(ライター:戸塚 啓)


東芝ブレイブルーパス東京では、ファンの皆さまにクラブのことをより知っていただくために、今シーズンからライターの戸塚啓さんにご協力いただき、様々な物語を発信しています。
【物語りVol.1】 チームスピリット「猛勇狼士」に込めた想い
【物語りVol.2】荒岡義和 「ただただ、悔しかった」
【物語りVol.3】それぞれの立場でハードワークを


東芝ブレイブルーパス東京では、スポーツ専用情報サイト、スポーツナビにて連載企画「ワーナー・ディアンズ2023ワールドカップへの挑戦」の掲載も行っております。ぜひ、こちらもご覧ください。
スポーツナビ連載企画「ワーナー・ディアンズ2023ワールドカップへの挑戦」

関連リンク

LINK

パートナー

PARTNER

このページのトップへ