【物語りVol.5】 リーチ マイケル「勝つことばかり考えています」

 2022年の秋シーズンへ向けた日本代表候補の合宿には、東芝ブレイブルーパス東京から5人の選手が参加しています。そのなかのひとりのリーチマイケル選手が、22日にオンラインによる取材に対応しました。
(今回の記事は、9/22に行われた日本代表選手オンライン取材をもとに構成されています)

 
 日本代表は「Our Team」を新たなスローガンに掲げています。リーチ選手はこの言葉を、どのように受けとめているのでしょう。
「実はこの言葉ができたミーティングに、ちょっと調子が悪くて参加できなかったんです」と意外な事実を明かし、「勇気や絆がキーワードになっていて、すごくいい言葉だと思います。One TeamからOur Teamになって、このチームにどれだけコミットするか、どれだけ愛情を入れ込めるかが大事なポイントになると思います」と続けました。
 そのうえで、「行動が大事です」と言います。
「このチームの強み、100パーセントの可能性を出すと考えたときに、さっきも言ったようにどれだけコミットするか、どれだけこのチームを勝たせたいのかが一番大事で、そういう思いがあるからこそ行動が変わる。そこがキーになる。行動が一番大事だと思います。僕はずっとこのチームが好きだし、勝たせたい気持ちがある。その思いがあるから、オン・ザ・フィールドで声をかけたり、練習外で若い選手と喋ったり、というのは意識しています」
 50人規模で行なわれている今回の合宿には、若い選手や経験の少ない選手が多く招集されています。彼らについては「全員すごいですよ。僕が最初に日本代表に入った時と比べたら、戦術の理解度、タックル、アタック、細かいスキル、素晴らしい選手が多いです」と穏やかな表情で話しました。練習でインパクトを残している選手として、東京サンゴリアス所属の下川選手の名前もあげました。

 
 リーチ選手自身のコンディションはどうなのでしょうか。
「ハードな練習を乗り越えようと頑張っています。日本代表候補の合宿は毎回ハードなので毎回ヘトヘトで、春のシリーズに比べたらだいぶハードにやっています。(練習中に一人ひとりが着ける)GPSのスタッツを見ても、かなり走っています。走れる選手が揃っていますね。試合をものすごく楽しみにしています」
 実践を見据えて、個人的にフォーカスしていることは?
「ボールタッチの回数、タックルの回数、ポジティブアクションの回数をどれだけ増やせるか、連続できるかが、自分のなかの課題です。そこは意識してやりたいなと思います。春のフィードバックは悪くなかったのですが、今回はフィットネスもさらに良くて、プレーの回数も増えてきているので、そのまま増やしていきたいと思います」
 今回の秋シリーズでは、10月29日に生まれ故郷のニュージーランドと対戦します。リーチ選手は「オールブラックスと対戦できると聞いてから、勝つことばかり考えています」と意欲を表わしました。
「日本ラグビーがどれだけ成長できているのかを、証明できる試合になると思います。1995年のラグビーワールドカップ(RWC)は17対145で、2011年のRWCは7対83、そのあともどんどんスコアが縮まってきているので、勝ちたいと思います。勝つ自信もあります。どこにも勝てるチームになってきていると思います」
 今合宿は3部練習がなく、夜は自由に過ごすことができているそうです。選手によって時間のつかいかたは様々で、リーチ選手は「身体のケアをしたり、本を読んだりしています。あとは、家族と喋っています」と、リラックスしているようです。ドラマを観たりもしたいそうですが、「なかなかいいのがなくて」と笑みを浮かべていました。

 リーチ選手が取材に応じた翌23日、41人に絞り込まれた日本代表が発表されました。11月の欧州遠征まで活動を共にするメンバーには、東芝ブレイブルーパス東京からワーナー・ディアンズ選手、中尾隼太選手、それにリーチマイケル選手が名を連ねています。
 日本代表を支える経験者のひとりとして。自らに厳しく向き合うひとりの選手として。10月1日のオーストラリアA代表戦からスタートする秋シーズンに備えて、リーチ選手は戦闘モードへシフトしていきます。(ライター:戸塚 啓)


■東芝ブレイブルーパス東京【物語り】
東芝ブレイブルーパス東京では、ファンの皆さまにクラブのことをより知っていただくために、今シーズンからライターの戸塚啓さんにご協力いただき、様々な物語を発信しています。
【物語りVol.1】 チームスピリット「猛勇狼士」に込めた想い
【物語りVol.2】荒岡義和 「ただただ、悔しかった」
【物語りVol.3】それぞれの立場でハードワークを
【物語りVol.4】 ワーナー・ディアンズ「準備してきたものをやるだけ」


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